内容説明
歴史時代作家クラブ賞受賞作『鳳凰の船』、第二作『楡の墓』に続く、北海道開拓期を背景に描いた第三作。ゴールド・ラッシュに翻弄された人間の悲哀/「ウタ・ヌプリ」。新天地・樺太への玄関口が静かに見守る親子の情愛/「稚内港北防波堤」。戦争に躍らされた炭鉱の末路とささやかな希望/「小さい予言者」。道内在住の著者がかつてない視点で浮き彫りにした、まったく新しい北海道の歴史の横顔。深い余韻を残す五編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
89
浮穴さんの「鳳凰の舟」「楡の墓」に続く三部作の最後のもので、枝幸や稚内などの地での物語です。5つの話が収められていて、一つはアメリカのフィラデルフィアでの回想が中心となっています。前2作と比べると、より庶民の生活ぶりなどが克明に記されていてとくに表題作は架空の場所ですが、印象に残りました。北海道は私も血縁があるのですが、このような物語でまた訪れたくなりました。門井さんの「札幌誕生」も読むつもりです。2025/07/24
Y.yamabuki
19
北の大地に小さな足跡を残して来た市井の人達の物語。四つの物語がその時々の北海道ならではの状況と共に語られる。ゴールドラッシュ、日蝕見物の町、炭坑街、各々の隆盛と衰退、興味深い事柄も多く、物語は温かい。好みは、お雇い外国人と教え子の絆を描いた「費府早春」と日蝕観察に訪れたトッド博士の寄贈図書とそれを発展させようとした玲子の話「日蝕の島で」。四話、通底しているのは、地に足を付けて進むこと、そして未来に繋いでいくこと。短編集ながら非常に読み応えがあった。2024/11/07
KT1123
6
北海道開拓三部作の短編集最終巻。時代は明治後半から昭和前半が中心と、比較的新しい。道北枝幸のゴールドラッシュ。フィラデルフィアから北海道の炭鉱を回想。再び枝幸の皆既日蝕と北海道初の公立図書館設立。稚内から樺太へ行きかける話。架空の炭鉱町・上空知での戦前の暮らし…。金や鰊や日蝕や炭鉱、北海道に住みながら知らない過去がたくさんあるなあと思いながら読み終えました。2024/08/24
むらかな
3
北海道の開拓時代から昭和初期の短編集。日食を観る話が好き。ダイヤモンドリングの件がグッときた。表題の小さい預言者。教科書に載っていそうな話で正体がわからない少年「タクト」との交流を通して、人生の教訓めいたことを教えてくれる。会うべき人に会っておかないと一生後悔するね。2024/09/16
まめの助
2
★★★★☆北海道三部作の完結編。自分で決めて、自分の足で人生を精一杯生きる。生きるってこういう事のはずなのに、いつの間にか見えない鎖を巻き付け雁字搦めで日々を過ごす。拝金主義と不自由で窮屈な社会への警鐘。大切なものをたくさん失くしてるなぁ。すごくいい作品。2025/10/05
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