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内容説明
「どうせ、……いつかはお互いに、戦場で死んでしまうんだ、それなのに……それなのに……」
志願兵として「不沈艦」に乗り組んだ少年・北野が直面した海軍の現実とは? 1943年春、いまだ戦火から遠い播磨(武蔵をモデルとした架空の船)はトラック島へ入港、同型艦大和から連合艦隊旗艦を引き継ぐことになる。帝国海軍の旗印として聳え立つ「海の城」の上では、法外な私的制裁、理不尽な罰直、性的虐待が横行していた。北野たち新兵は、剥き出しの暴力を必死に切り抜けるが、やがて同胞の命を失うことに……。銃火も爆撃もない、知られざる地獄を描く無二の戦記文学、復刊!
◆毎日のように甲板に整列させられ、棍棒で殴られる
◆自殺した同胞の遺体に暴行する憲兵
◆同年兵同士を殴らせ合う「対向ビンタ」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
31
筆者は十代で海軍に志願して戦艦武蔵に乗り込んだ方。日本海軍の不法な私的制裁の嵐の「生き地獄」が、これでもかと描かれる。陸軍に比べてスマートな印象がある海軍なのだが、「甲板整列」なるリンチにみられる組織ぐるみの見て見ないふりの暴力体質に驚かされる。戦争の悲惨さを戦闘場面でないところで描き切る意味で、名作として位置付けられる作品だと思う。(昭和44〈1969〉年刊)2026/01/29
Toska
13
『戦艦武蔵の最期』に続く再刊は角川の壮挙。血なまぐさい戦闘シーンは皆無でも、ある意味『武蔵』より陰惨な描写が続く。「ビンタ、バッタの雨が降る」と歌われた如く、下士官や古兵からの暴力にさらされる日常。体罰のレベルを超え、人間性を傷つける悪意すら感じる。兵隊社会の過剰な「男らしさ」がこれに追い打ちを加え、新兵の中には男色の恐怖に怯える者もいた。一方、この地獄の生活の中で同年兵の絆が救いとなったこともよく分かる。だからこそ渡辺清は、戦後も自分だけ生き残った後ろめたさを引きずり続けたのだろう。2024/08/02
ishii
0
日本海軍のなかでも旗艦と称される軍艦の中で実際にあった現実。生々しい描写、気持ちがだんだん塞がれていった。2026/01/22
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