内容説明
大ヒット中『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』著者 三宅香帆さん推薦!本を読み慣れていない学生さんへ、または「忙しくて本が読めなくなってしまった……」という社会人にも。細かいポイントで立ち止まっては検索し、わかりやすく解説しながらじっくり読み進めていくマイペースな読書論。
目次
【目 次】
はじめに
1章 芥川龍之介「ピアノ」
原文/登場する用語の検索/情景描写/心情描写による演出/擬人法など表現技法/リアリズムとオカルティズムの統合 など
2章 梶井基次郎「桜の樹の下には」
原文/「謎」の提示/一見無茶に思える宣言と理由付け/「対照」という視点/「惨劇」の非在を象徴する例示や比喩/媒介者の必要性 など
3章 宮沢賢治「やまなし」
原文/「対比」をあぶりだす/「コード」という概念/教育的意図を読み取る/子どもの成長と世界認識の深化/物語世界の共有/作者の意図から自由な解釈 など
おわりに
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
oooともろー
5
「ピアノ」「桜の樹の下には」「やまなし」に対してテクスト論を実践。多様な読み方の一例。そもそも芥川「ピアノ」は初読みかも。2025/04/03
skr-shower
2
英語辞書引きながら読む英文読解は大変だった。日本語も古典なら、手軽なスマホ辞書は大活躍かも。作者の考えを問う問題は、作者本人が解答が間違っていると説明している事も有り問題として適切なのか不明。スマホ検索なら若い人ほどハードルは低いと思いますが・・・2024/08/16
夜游の月
1
昔だったら図書館で調べないとわからなかったような事も今ならスマホで調べられる。そうしていかにして文学作品を深く読んでいくかが書かれていました。 作品の世界の見え方は私とは違う解釈もありましたが、そこは文学なので人それぞれという事だと思います。作品の深い読み方が学べました。2024/11/05
たぴ岡
1
いろんな読み方があるんだなぁ、と思った。小説を読むのは好きだけど、ここまでいろんなことを調べて「じゃあこの文章/単語はこういうことを示唆しているのでは?」みたいな読み方はしたことがなかったので、新鮮だった。長編ではできなさそうだけど、それこそ青空文庫にある短いものを、調べながら考察しながら読んでみようかなぁ。やっぱり文学っておもしろいなぁ。2024/10/24
rising934
1
『ピアノ』『桜の木の下には』『やまなし』の3作品を題材として、脱線したり、徹底的に深読みしたりと自由に文学を楽しむ本。これまで言葉の意味に意識的でなかったが、スマホ辞書を引く意識がついた気がする。中高生向けの語りであり、国語の授業をどこか思い出させるような読後感だった。2024/09/09




