内容説明
ろうの両親の元に生まれた「ぼく」。小さな港町で家族に愛され健やかに育つが、やがて自分が世間からは「障害者の子」と見られていることに気づく。聴こえる世界と聴こえない世界。どちらからも離れて、誰も知らない場所でふつうに生きたい。逃げるように向かった東京で「ぼく」が知った、本当の幸せと
は。親子の愛と葛藤を描いた感動の実話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
54
成長と共に肌で感じる「異」。遊びに来た友人、近所の花壇の問題など、直接・間接的な周囲の言動の1つ1つがボディブローとなり、何事も他責に傾倒。表層的な「好き・嫌い」ではなく、「理解できない・しない」”壁”。1つ目の転機は、バイト先での”通訳”。飲み会で認識させられた”2つ”の世界。2011年の震災が、2つ目の転機。帰郷して目にした現実と、その震災を経た2年後に亡くなった祖母を嘆く母に、自分を重ねて見えた本質。母のお礼、私自身の母が亡くなる半年くらい前の施設での出来事が重なる。いやぁ、グッとくる。2025/07/07
だのん
21
大好きなお母さんなのに傷つけてしまう矛盾な行動、耳が聞こえないことを恥ずかしく思ってしまう自分も嫌になるが、どうにもできない葛藤など、子どもの頃の素直な気持ちが伝わってきて心苦しくなりました。成長とともにたくさんの出会いがあり、周りからの目もますます気になっていく中で、コーダという言葉に出会えて本当によかったです。このお話のその後も気になるので、ほかの作品も読みたいです。2026/03/03
みゆき・K
21
友人が映画を観て大絶賛。私は未視聴。原作から読む。おそらく今年読むであろうノンフィクションの中でベスト1の作品。「コーダ」とは、聴こえない親の元で育った聴こえる子どもたち。著者がコーダとして生きてきた半生が、後悔の念と罪悪感も含めて、赤裸々に綴られる。美談だけではない故に、心が揺さぶられ、何度も目が潤む。「守ってあげるのではなく、ともに生きていく」という言葉にハッとさせられた。誰もがこの気持ちを持てば、優しい社会になるはず。まずは知ることが大事。知らなかった世界を教えてくれてありがとう。 2026/01/30
あきあかね
17
先日、小諸市のホールで行われた本作の映画の上映会では、二百以上ある席が満員だった。近くの図書館で偶然観た『アイ·ラブ·ユー』で、日本初のろう者の主演女優となった忍足亜希子さんの演技に惹かれ、今回の上映会に足を運んだのだが、四半世紀の時を経て、彼女の演技は一層深みと輝きを増していた。 耳が聴こえない両親の間に生まれた、耳が聴こえる主人公の「ぼく」。両親からの愛情を受けて育ち、子どもの頃は、聴こえる世界と聴こえない世界の「ふたつの世界」をつなごうとするものの、周りの人たちの偏見や憐憫などから、⇒2026/02/11
涼
13
85点。映画が良かったので原作を読もうと思って本作を手に取った。結果、素晴らしかった。映画ではグッときて涙が流れたのは1ヵ所だけだった、小説では10ヵ所ぐらいあり、外で読んでいたので人目をはばかってしまった。主人公はコーダであり、「聴こえない親を守りたい」という肯定的な気持ちと、「聴こえない親なんて嫌だ」という否定的な気持ちとの狭間で大きく揺れ動く。その精神状況が平易な文章で包み隠さず述べられている。特に母を愛しているのに母を傷つけてしまうところは読んでいても辛い。それでも、どんなことがあっても息子を愛す2024/10/18
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