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内容説明
近年、政治の世界ではデータやファクトにもとづいた政策形成の流れができており、「EBPM(Evidence Based Policy Making)」と呼ばれている。しかし実際にはヘンな政策ばかり実現されるし、時間と費用の無駄ではないかといった疑問は残る。いったい私たちはどのように政策を考え、評価すればよいのだろうか? 専門家じゃなくてもスルスル読めて、関係者にはグサッと刺さる。気鋭の学者が届ける政策のあたらしい見取り図。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
31
データやファクトに基づいて政策を作り評価する。当たり前のことに思える政策評価がなぜなかなか実現できないのか。政策評価が生まれた背景と機能しない理由を探る1冊。20世紀末に英国のブレア政権で始まった、エビデンスを元に政策を評価するEBPMの取り組み。日本におけるプログラム評価とセオリー評価という2つの流れ、事業仕分けとは一体何だったのか。そしてEBPMにおける三本の矢とは一体どういうものかを解説しながら、何のためのエビデンスなのか、誰が評価するのかという部分が明確でない現状の課題を浮き彫りにする1冊でした。2024/08/07
みこ
22
お茶のCMのおかげで一般に認知された感のあるエビデンス(⤵下がります)なぜ機能しないのかというよりは機能させるには何が必要かと論じているので、タイトルほど日本の政治をディスっているわけではなく、政策の評価というものを正面から論じている。エビデンスというと客観的で揺るぎない真実と思っていたが、そのエビデンスを採用することが適当かどうかというエビデンスはあるのかないのかと掘れば掘るほど正解が見えにくくなるようだ。なんせ今の日本では政治に関心のある過半数とちょっとの人たちの意見しか反映されてないからね。2024/08/13
msykst
17
日本の政策は技術論に寄りすぎでは、という問題提起だと思った。例えば政策評価は業績測定と一致してしまっていて、有効性よりも効率性が見られがちである。でもやっぱり価値の問題は実装しないとダメだし、政治とか大事でしょ、と。ロジックモデルにせよ何にせよ、その手の話が実は結構恣意性に開かれてる事が前提にされてたのが印象的だった。そう書かれている訳ではないけど、多分現場で執心してるのはEBPMみたいな方法論を如何に強引に日本の組織構造と文化に寄せるかって話な気がしていて、やっぱ理念に向き合うの苦手なんだろうなと思う。2025/01/21
とある本棚
10
ニッチな内容で人を選ぶと思うが良書。エビデンスに基づく政策(EBPM)を起源から掘り起こし、日本を事例にその有効性と限界を説く。エビデンスに基づく政策を出しさえすれば、自動的に政策が改善するわけではないことを丁寧に説明する。本書の後半に政策の合理化を妨げる要因としての「政治」に言及があるが、政策は価値中立的ではあり得ず、だからこそ政治を遠ざけるのでなく、政治を政策の合理化にプロセスに組み込む必要があるという主張は強く首肯。政策評価に力点が置かれた内容だが、政策過程についてももう少し紙幅が欲しかった。2024/08/21
zunzun
8
EBPMとは行った政策などをデータや実証に基づいて、どれだけの効果があったのか?を測る作業をいう。2000年代後半から政府にもとりいれられ、欧米でも実行されている。確か2010年代中盤ぐらいからニュースなどでもビッグデータという言葉をきくようになった。CPUが長足の進歩を遂げ、莫大な情報を捌けるようになったという。今では人工知能による動画作成や絵が素人でも数十秒から数十分でつくれるようになり、もはや人間の出番がなくなったかのように思えるが、そんな時代だからこそEBPMは持て囃される。その実態はどうか2024/07/27
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