内容説明
ロボット博物館への校外学習で同じ行動班になった、安藤悠真、長谷川湊、清水陽菜、市川咲希の四人の中学一年生。その博物館には、「美しすぎる」アンドロイドの気象予報士が展示されていた。その日の体験をきっかけに、それぞれがロボットと人間の違いを考える。完璧な美しさや強さを持つロボット、やさしい言葉をかけてくれるロボット、いつまでも死なないロボット……。それでも、ロボットにはない自分だけの心を確かめ、他者と触れ合い、距離感に悩みつつも、気持ちがつながる瞬間を大事に、新しい自分を作っていく――。不思議な縁でつながった、性格や家庭環境の異なる男女四人。彼らの中学一年から三年までの三年間をそれぞれの視点から描いた、現代社会に生きるさまざまな子どもたちの姿を切り取る著者による、中学生たちの日常(いま)の群像劇。
目次
中学一年 アンドロイドと不気味の谷
安藤悠真
長谷川湊
市川咲希
中学二年 ドッジボールと僕らの温度差
長谷川湊
市川咲希
清水陽菜
中学三年 私たちが出会う新しい私たち
清水陽菜
安藤悠真
長谷川湊
清水陽菜
エピローグ 市川咲希
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
84
YA。中学生4人表紙カバーの袖に登場人物紹介あり▽安藤悠真(ゆうま)は勉強できるオタク系で空気読めない。清水陽菜(ひな)はバスケ部所属で明るい女子だけど母子家庭で家事が負担。長谷川湊(みなと)はサッカー部部長で運動が得意だけど不登校の姉に複雑な思いを抱く。市川咲希(さき)は引っ込み思案だけど祖母に励まされ音楽が好き▽タイプの違う4人が班を組まされ博物館学習に行く。それぞれの思いを抱き中学生活を送る。卒業を迎え4人の選択は…▽親目線では興味深く読んだけど、中学生は楽しめるのか?シビアだと思う。2024.7刊2024/10/02
えんちゃん
66
勉強とかクラスとか受験とか将来とか。社会科見学で班が一緒になった中学生4人の視点で描かれる群像劇。空気が読めない真面目な男子、スポーツ万能な熱い男子、家庭に事情アリな明るい女子、控えめだけど芯の強い女子。子供とはいえ自分を取り巻く社会の中で、失敗しながらも精一杯考えて行動する姿が眩しい。心情描写が上手い朝比奈さんの描く児童書は大人が読んでも響くものがある。2024/10/28
真理そら
61
全くタイプも家庭環境も違う悠真、湊、陽菜、咲希の男二人女二人は「ロボット博物館」での校外学習で同じ行動班になる。4人は三年間同じクラスになるのだが普段はまるで接点がない。不思議なつながりの4人の3年間を4人それぞれの視点から描いた青春物語。熱血サッカー少年のように見える湊の迷いや恵まれない家庭環境の中でまっすぐな陽菜が印象的だ。こういう友情もあるよねえ、と思いつつ読了。2025/02/27
rosetta
31
★★★✮☆中一の校外学習でロボット博物館に行くことになった四人。陰キャ陽キャやスクールカーストの上下もあり特に普段から親しくしている訳ではなくたまたまだったが、不気味の谷の説明を興味を持って聞いてくれたことでお互いをちょっとだけ見直す。その後も特別親しくなる訳では無いが少しだけ意識する関係。何不自由のない家庭だったり兄弟に不登校がいたり、それぞれ違う環境で等身大の中一から中三までの三年間が視点人物を替えて語られる。短い話ではあるが、連ドラを見るように登場人物達に思い入れが深まる2024/07/30
chiaki
27
校外学習でロボット博物館を訪れた4人の中学生の3年間を、それぞれの視点で描いた物語。学校生活で特別な関わりはなくても"不気味の谷"を共有したこの日の経験が4人の中で大切な思い出となっているのが随所で分かる。大切な祖母の死に直面したことから、アンドロイドと人間の未来を考える市川咲希の話が好みでした。家庭環境に部活に勉強、友人関係、進路…悩みは尽きないけれど等身大で青春を生きる中学生たちの姿がまぶしい!生身の人間だからこそ抱く感情の機微を、もう少しロボットと対比してストーリーに盛り込んで欲しかった気もします~2024/08/30
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