スウィンダラーハウス

著者名：根本聡一郎

祥伝社（2024/06発売）

• ISBN：9784396636623

内容説明

「スウィンダラーハウスへようこそ。皆様にはこれから、ここで詐欺師として働いていただきます」。フードデリバリーサービスの配達員として働くアオイは、依頼者の自宅内でふいに意識を失う。目覚めるとそこは、どことも知れぬ謎の密室。集められた若者６人は、道化の仮面をつけた女性から「詐欺で１億稼ぐまでこの部屋からは出られない」と告げられる。果たしてアオイたちはこのハウスから、警察の捜査の手から逃れられるのか? 「義賊を名乗る特殊詐欺グループ」vs「あらゆる手段で逮捕を目指す警察」の息詰まる頭脳戦を描いた、令和の傑作コンゲーム小説！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[mayu]

闇バイトに応募した人、ウーバーの配達や保険の勧誘で訪れて拉致された人達6人は詐欺で1億円稼ぐまで部屋から出られない。ええ、こういう設定大好物です。そして最近母が立て続けに詐欺に引っかかりそうになったので、他人事じゃないなと感じる特殊詐欺。入念に練られた詐欺計画、チームの役割分担、突然訪れた人間を騙される老人達は信用してしまう。ハラハラする展開は飽きさせない。最後の畳み掛けはちょっと都合良すぎだなと感じる部分はあれど伏線回収は見事だし、詐欺をする側の事情も描かれていて良かった。映画化したら面白そうな一冊。

2025/05/14

[ゆみ]

（この人が犯人かな）（こういう展開になるんだろうな）とかの先が読めない展開で面白い。想像つかなくて期待を裏切るのが面白い。あと、つくづく思うのが私は警察側より犯人側を応援した目線で読んでしまう。面白かったけどつまらなくもあった。

2025/06/06

[MJ]

時事問題に関連するキーワードを指定し、意外性のある舞台と大まかなシナリオを与えて、AIに執筆させたような浅さが気になります。登場人物の造形や伏線の回収が不十分というか、ほとんどない！リアリティ、プリーズ‼︎

2025/08/18

[アプネア]

詐欺で一億稼ぐまで家からは出られない。謎の多い密室に集められた男女6人は、このミッションに挑むのだが･･･。特殊詐欺事件を見聞きする度に、人間の本性は性善説に基づかないと感じていた。多大な時間と労力を費やして、お年寄りを騙そうとする、浅ましさに辟易していた。ただ、こうした濃淡ある動機の背景を見せられては、闇の陥穽に嵌まることはあるのかな〜と･･･。でも、コロナ禍や就職氷河期が、免罪符とはならんだろ。

2024/08/23

[にゃむこ＠読メ13年生]

【Kindle Unlimited】詐欺部屋に軟禁された男女6人。詐欺で1億円「稼ぐ」まで出られないという。オレオレ詐欺に、キャッシュカードすり替え詐欺、国の隠し財産M資金詐欺t等々、いまの社会問題と化している特殊詐欺の手口が、詐欺グループの側から詳らかにされており、実に興味深い。「盗人にも三分の理」ではないけど、騙す側の理屈も分からなくもないが、やっぱりそれは詭弁であって、正当化していい理由にはならないよね。騙されない予防措置的に、特殊詐欺の手口を知っておくいい「教科書」にはなるかも。

2025/06/06