内容説明
南北戦争以来の「内戦」は起こるのか。
ウクライナは見放されるのか。
日米安保は破棄されるのか。
第一次トランプ政権の終焉、バイデン当選、「Qアノン」による連邦議事堂襲撃から約4年。
次期大統領選に向けた皮切りとなるアイオワ州共和党予備選(24年1月)で大差の勝利を得たトランプ。
日本から見ていると信じられないかもしれないが、アメリカ共和党内では依然として圧倒的支持を得ており、共和党大統領候補として選ばれることが確実視されている。
一方で前回大統領選後の議事堂襲撃を扇動した罪などで司法からは多数の刑事訴追をされており、このまま何事もなく選ばれていくのかを疑問視する声もある。
それでもなぜ、彼はこれだけ支持を集めているのだろうか。
トランプ現象の本質を最も早く見抜いたアメリカ・ウォッチャーの第一人者が、アメリカ政治に起きている地殻変動と、建国以来の保守思想がその源流にあることを明らかにしていく。
ゴジラはなぜ、何度も何度も、日本に戻ってくるのか。同じように問いかけてみるべきだろう。ドナルド・トランプはなぜ、またアメリカ大統領選に戻ってくるのか。なぜトランプのような破壊的存在が出現したのか、その「生命力」の不思議をわれわれは「研究」すべきだ。「トランプが民主主義を破壊している」というような単純な話ではなく、トランプを生み出したアメリカの病とその原因を探らなければ始まらない。トランプという怪物は繰り返し戻ってくる。それはどんな無念を抱く、数多くの戦死者の「亡霊」(再来)なのか。異様な格差を生む不平等の構造が変わらない限り、支配される側の怒りと怨嗟の「ゴジラ」であるトランプは、いくどでもアメリカの政治に登場することになるのだ。――序論より
トランプは病因ではない、病状なのだ。原因ではない、結果なのだ、というのはアメリカを観察する者にとっては、今ではほぼ常識となっているはずだ。少なくともアメリカの学識者の間では共通認識であろう。ところが、どうも日本ではそのことがよく理解されていない。――序論より
目次
序 論 それでもなぜ、トランプは支持されるのか
第Ⅰ部 トランプ政権誕生の思想史
忘れ去られた異端者らの復権――トランプ政権誕生の思想史/ジェームズ・バーナム思想とトランプ現象/よみがえる「美しき敗者たち」
第Ⅱ部 現代アメリカの思想潮流
保守思想とアメリカ政治の現在――ポピュリズムとの相克/トランプ政権の外交思想を考える/トランプ政権を取り囲む思想潮流
第Ⅲ部 地殻変動の後景
福音派はなぜ政治を動かせるのか――アメリカの「政教分離」が意味するもの/アメリカ白人社会の格差と病――『絶望死のアメリカ』など/ハイデガー「技術論」でアメリカ公共宗教を読み直す――『「ポスト・アメリカニズム」の世紀』/トランプ現象は終わらない――建国にさかのぼる孤立主義
第Ⅳ部 文化戦争と「キャンセル・カルチャー」
アメリカに吹きすさぶポリコレの嵐/『ニューヨーク・タイムズ』が突き進む歴史歪曲/国民を分断する歴史教育と左翼意識の「目覚め」
第Ⅴ部 思想の地政学
バイデン政権が抱えた課題/ウクライナ侵攻の「思想地政学」
第Ⅵ部 思想家ラッセル・カーク再考
『保守主義の精神』出版七〇年とアメリカの分断/保守思想家ラッセル・カークと「死者たち」/近代に見失われた共時性が貫く共同体/E・マクレランと江藤淳の『こころ』
感想・レビュー
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