内容説明
長く,哲学者・神学者を悩ませてきた決定論から自由を擁護し,さらに進んで非決定論に向き合い,運と非合理性にさらされる人間の実存を考察する.とるべきではない選択肢を前に,ときにそう振る舞ってしまう人間の自由がもつ価値とは何か.その自由は私たちの生にとってどんな重要性をもっているのか.國分功一郎氏,野矢茂樹氏推薦.
目次
はじめに
第1章 選択可能性と自由の関係がなぜ問題になるのか
第1節 決定論と対立する選択可能性
1 選択可能性と自己決定性
2 決定論と自由の対立
3 選択-非両立論という立場
4 選択-非両立論の抱える二つの問題
第2節 源泉-両立論と行為の合理的コントロール
1 ホッブズの系譜としての源泉-両立論
2 源泉-両立論者の諸理論
3 合理的コントロールとしての自由理解
4 選択-非両立論者にとっての合理的コントロール
第3節 整合性の問題
1 選択可能性と合理的コントロールの緊張関係
2 非合理性のアポリア
3 運のアポリア
第4節 必要性の問題
1 フランクファートによる選択可能性原理の否定
2 価値のアポリア
第2章 選択可能性と自由は整合的に理解できるのか
第1節 従来の解決案を批判する
1 加算モデル的解決の試み
2 ミーリーの熟慮的リバタリアニズム
3 ケインの葛藤理論
4 加算モデル的解決の限界
第2節 自由な行為が満たすべき合理的コントロール要件を検討する
1 理解可能であるという基準から与えられる合理性
2 非決定論下で持ち得るコントロール
3 自由概念の記述的側面から見た合理的コントロール要件の妥当性
第3節 自由論のドグマからの解放
1 コントロールを向上させる選択可能性
2 自由論のドグマとは何か
3 自由論のドグマと対極にある自由観
4 合理的コントロールを弱める選択可能性
5 自由と運
6 選択可能性を契機とする自己決定性のあり方
第4節 自己決定する「自己」とは何か
1 自由と自己の問題
2 断絶を埋める二つの試み
3 自己と選択の構成関係
4 自己の理由モデルからの決別と、自己の動的なあり方
5 整合性の問題の「解消」
第3章 選択可能性はなぜ必要とされるのか
第1節 人を非合理性と運にさらす選択可能性が持つ価値
1 必要性の問題と価値のアポリア
2 価値のアポリアの手前で
3 解決に向けた二つの方策
第2節 自己変容性と選択可能性
1 葛藤の中の選択と自己変容的選択
2 自己変容的選択と非合理性
3 実験であり賭けである自由な選択
4 複数の価値観へと開かれるという自由の価値
第3節 道徳的責任と選択可能性
1 道徳的運としての選択の運
2 行為の源泉性に必要とされる選択可能性
第4節 本書の到達点
注
おわりに
キーワード
参考文献
感想・レビュー
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