岩波現代文庫<br> 秘密解除 ロッキード事件 - 田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか

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岩波現代文庫
秘密解除 ロッキード事件 - 田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか

  • 著者名:奥山俊宏
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 岩波書店(2024/06発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784006033477

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内容説明

秘密指定解除が進む米国の公文書を解読し,戦後最大の疑獄事件であるロッキード事件に新たな光を当てる.「田中角栄逮捕は米国の虎の尾を踏んだから」説の真相,CIAと児玉誉士夫との関係,中曽根康弘と米政府との知られざる秘密などを探った傑作ノンフィクション.第21回司馬遼太郎賞受賞作,待望の文庫化.(解説=真山仁)

目次

まえがき
第一章 アメリカ政府はなぜ田中角栄を嫌ったのか?
――田中逮捕を「奇跡」と喜んだのはなぜか?
第二章 中曽根事務所から「米政府ハイレベルの圧力」
第三章 ニクソン大統領辞任から田中逮捕へと連鎖
――ウォーターゲート事件の風
第四章 中曽根幹事長から米政府首脳へのメッセージ
第五章 三木首相「自民離脱,信問う」示唆,米政府に密使
第六章 CIAから「日本の政党」への資金提供と児玉誉士夫
第七章 日本に米国製兵器を売り込むために
第八章 日本政府高官への黒いカネを暴いて急ブレーキ
――チャーチ小委員会の消滅
第九章 考察――本当に「田中角栄は虎の尾を踏んだ」のか?
あとがき
ロッキード事件の真相から今こそ学ぶべきこと
――岩波現代文庫版のためのあとがきに代えて
解説 公文書が歴史を“つくる”……………真山仁

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

100

57
戦後最大の疑獄事件と評されるロッキード事件、公文書をソースにその謎に迫る。記載の内容から事実を推測することをルールとしているが、公文書の記載が必ずしも文面通りでない可能性や解除されない部分の存在はさらなる憶測を呼ぶ。そのルールに基づく追求、簡潔な構成、平易な文章に著者の知性を感じる。2025/05/14

fwhd8325

57
この事件と言うよりも田中角栄その人物への関心が高いのですが、ちょっとはぐらかされたような感想です。この事件は、田中角栄がアメリカを起こらせたことが発端という説があたりまえのように語られている。そこに落ち着かせることが「平和」なのかもしれません。ただ、戦後から続いているアメリカの支配。歴代の政治家たちは、アメリカへの忖度を欠かせずに忠実であるようだ。2024/07/21

ゲオルギオ・ハーン

24
ロッキード事件について秘密指定解除されたアメリカ側の資料を読み込み、重要人物たちの視点から話を整理、俗説の信憑性も検討したロッキード事件研究の一冊。田中角栄についてよく知らなかったのでアメリカ側からしたら不誠実な言動で信頼を損なっていたのは驚きだった。ただ、だからといってアメリカが田中角栄を政治の世界から抹殺したというのは短絡的だし、そこまで危険人物とされていたわけではないようだ。というのもロッキード事件の追及を進めたのはクリーンな政治を求める日本側でありアメリカ側は戸惑いながらも情報提供をしている。2025/05/30

緋莢

14
図書館本。「私の経験では、田中は生涯、本当のことを口から発したことが一度もない」キッシンジャーは、こう言った。1976年に発覚したロッキード事件。それを、秘密指定解除されたアメリカの公文書を解読し、著者は読み解こうとします。副題に「田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか」とありますが、著者は「田中角栄はアメリカの虎の尾を踏んだ」は根拠に欠けていると 書いています。そこに至るまでの、丹念に公文書を追っていったんだろうなぁ、というのは よくわかりましたが(続く2024/10/10

おやぶたんぐ

11
以前「日米開戦と情報戦」(ttps://bookmeter.com/reviews/77214036)を読み終えて、政治や外交で練りに練った分かりやすい陰謀の実現などないことを思い知らされた。本書はそれを再び実感させてくれる。先行する事象が想像を超える影響を及ぼし、錯綜する思惑と軋轢が予想外の結果を生む。ロッキード事件が米国の陰謀だと安易に信じ込むことは、愚かという以上に極めて危険なのではなかろうか。2024/07/11

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