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内容説明
野ざらしの廃車両、ぽっかりと闇をのぞかせる廃トンネル……全国に散在する廃線にも、かつては活気に満ちた時代があった。なぜこれらは廃止されてしまったのか。戦中の「不要不急路線」にはじまり、モータリゼーションや国鉄再建に伴う大量の廃止、近年の自然災害による廃線などを時代別・種類別に紹介する。そして現在、新たに巻き起こっている廃線論議の解決策はどこにあるのか。廃線からたどる日本交通史。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
73
著者は確かに廃線跡に出向き、踏み分けている。しかし本書の内容は鉄道廃線そのものに対するかなりしっかりした論考であり、『鉄道と国家』に通じる骨太の書といえる。鉄道、特に線路などの施設を社会的インフラとしっかり位置づけ、仮に運行を止めたとしても、インフラそのものをなくしてしまうと再建が難しいため、なんとか維持する工夫が必要との考えは首肯できる。2024年問題でトラック輸送がきつくなる中、長距離輸送手段としての鉄道は再評価されるべきだと思うが、肝心の線路がなくなっては。インバウンド資源としての価値も重要と思う。2024/06/23
うえぽん
47
交通や鉄道に係る研究・文藝家による戦時から令和に至る鉄道廃線史。軍事輸送上の重要度が低い路線を不要不急の旅行を抑える目的で廃止した戦時期、昭和43年に選定された赤字83線中11線区のみの廃線となった国鉄時代、国鉄再建法で特定交通地方線として選定された83線区中45線区が廃止されたJR転換期、災害・鉱山廃止・高校生の減少等の理由で廃線してきた平成令和期に分けて説明。レールバイクやディーゼルカーの保存運転等の廃線活用策の他、観光目的に特化した特定目的鉄道事業への転換など、貴重な遺産を残す知恵が求められている。2024/10/13
saga
44
宮脇俊三作品を耽読したという著者。だからこそ次々に廃線に追い込まれる路線を看過できなかったのだろう。本書は鉄道関連法令と、それに基づく廃線に至る手順を総論として解説し、各論では著者が過去に訪れた路線・駅を再訪し、廃線後の現状を見ながら、鉄道のあり方を考察する。巻頭地図の北海道を見ると、北海道の形に伸びる鉄路が次第にスカスカになっていく様をまざまざと見せつけられ、廃線の象徴がここにある。物流2024年問題を解決する可能性がある鉄道を、今一度見直すべきだとする著者に激しく同意!2025/11/29
Francis
18
鉄道ファンとして最近の相次ぐ鉄道の廃線のこと、そして今後鉄道はどうなるのかを考えるために購入。この本は良著。鉄道開業以降の旧国鉄・民鉄を問わず廃止になった鉄道線について概観し、なぜ廃止になったのかを考察。営利会社による独立採算の下での鉄道事業の継続は難しくなっている。だから存続のためには地方自治体、国による公的支援は欠かせなくなっている。ただその場合でも監査人から多額の費用をかけて路線を復旧することが正しい道だったのか、と疑問を呈された只見線のようなケースもある事を踏まえて行うべきだと思った。2024/07/13
えすてい
13
新書の鉄道本、それも鉄道書籍出版社以外のものでは珍しい著者の徹底的な現地調査によるものだ。数多の「鉄道評論本」はあるものの、現地調査と文献講読のハイブリッドは「説得力が高い」。野上電鉄のような有り様には手厳しい。JR東海の在来線は新幹線利用増のためのアクセス路線のため路線別収支を公表しないのが特殊事例なのは腑に落ちる。一方で著者が評価し適用例を増やしたい願望の特定目的鉄道に関しては、特定目的鉄道ではない黒部峡谷鉄道が元々ダムや発電所の人員資材輸送が目的で関西電力完全子会社であることを抜かしてるのは残念だ。2024/07/01




