内容説明
魔王を斃す次世代の勇者を決める勇者選抜試験に集められた一〇〇人の勇者候補生の前で、魔王を追い詰めるも引退した人類史上歴代最強の勇者ブルムが告げた衝撃の真実。
「本当は魔王に、たった一撃を与えただけで僕は負けたんだ」
真の勇者に選ばれるのはただ一人。絶望する勇者候補生たちを試験官として、次々惨殺していくブルム。
魔王を斃すためには、魔王以上の残虐性と冷酷さを併せ持った勇者を作り出すしかない――。
ブルムの弟子を名乗る勇者候補生唯一の男性イフ・アイドラは、生き残りを懸け『勇者ゲーム』に身を投じる。
偽りの希望を今度こそ本物に変えるために――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オセロ
34
魔王討伐の為に集められた勇者の証を持つ少女たち。 そんな中で男の身にも関わらず勇者の証を持ち、魔王を追い詰めたと言われる勇者ブルムの弟子の少年・イフが真の勇者を決めるデスゲームに身を投じていく裏で運営委員を狙った暗殺事件が発生して。強引にイフの弟子になったイデアや再会した聖剣に選ばれたイフの妹のシェーラと協力してゲームをクリアしていく一方で、ところどころに散りばめられた伏線を回収することで見えてくる事件の真相は驚かされましたね。粗いところはたしかにありますが、これは続きが楽しみです。2024/06/26
よっち
23
魔王を斃す次世代の勇者を決める勇者選抜試験に集められた一〇〇人の勇者候補生。女性ばかりの中で勇者ブルムの弟子を名乗る勇者候補生唯一の男性イフ・アイドラが試験に挑むファンタジー。魔王を斃すためには、魔王以上の残虐性と冷酷さを併せ持つ勇者を作り出すしかないという意図のもと、試験官として絶望する候補生たちを次々と惨殺していく勇者ブルムの凶行を止めたイフ。候補生がどんどん死んでいく勇者ゲームを、押しかけ弟子のイデアとともにクリアしていく中で、殺伐とした物語の構図も明らかになったからこそ今後の展開が気になりますね。2024/06/20
シノミヤユウ
13
続きが気になる!無慈悲に殺されていく勇者候補生達。命が奪われる瞬間の呆気なさと衝撃が立て続けに訪れ、状況に滲む不可解さへの好奇心に序盤から引き込まれました。謎の一端が明らかになる瞬間には「そういうことだったのか!」と唸らされた……!しかし、なぜデスゲーム形式で試験を行う必要が?歴代最強の勇者に何が?など全ての違和感が全て解消されるわけではないので、若干の消化不良感と後味の悪さは感じます。とはいえ、正義や理想との葛藤の中で徹底的に『勇者』を目指す主人公の未来への期待は募り、続巻を読みたくなりました!2024/06/21
ホシナーたかはし
11
読んでる時真っ先に思い出したのが蟲毒、バトルロワイアル2024/07/16
椎名
11
魔王を討つべく開かれた、次世代の勇者を決めるためのゲーム。勇者を作るための蠱毒の壺ですね。世界最強と謳われた最初の勇者は、その実魔王にたった一撃を与えることしかできなかったという真実があるからこそ、様々な足枷があるなかでも敵を討つその一点に特化した人間が求められる。まだ全貌が見えてこないのは、身近にいながらその目的がわからないイデアの存在が大きいだろう。まだここからという物語なので、どう続いていくのか気になる一作だ。2024/07/05