内容説明
玩具会社部長の馬割朋浩から、妻・真棹の素行調査を依頼された調査会社社長・宇内舞子は、新米助手の勝敏夫と共に夫妻の乗った車を尾行する。ところが、その車を隕石が直撃するという奇禍で、朋浩は命を落とす。この事件が幕開けを告げたかのように、馬割家で不可解な死が連続し、舞子と敏夫は、幕末期まで遡る一族が抱える謎と、「ねじ屋敷」と呼ばれる同家の庭に造られた、五角形の巨大な迷路に隠された秘密に挑むことになる。絢爛巧緻な犯罪絵巻であり、本格ミステリの醍醐味に満ちた、第31回日本推理作家協会賞受賞作にして、不朽の名作!/解説=阿津川辰海
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
55
これまで見たことなかった泡坂さんのミステリの新装版が出たということで読了。 調査会社に就職した敏夫は社長の宇内とコンビを組んで浮気調査に向かうが、そこで夫の車に隕石が落ち死亡するというハプニングが。そこから馬割家では連続殺人が始まる。 玩具会社ということで数々のからくり人形や仕掛けが。 そして五角形の形の迷路であるねじ屋敷の存在も。 殺人は起こっているのに、犯人があまりにも断定されているのが気になってはいたが、そういうことかという真相。 これは気付かないし驚く事実。犯人の動機と執念も実に恐ろしい最後だった2024/08/24
yuui
10
これが1977年に書かれた本か! 普通にどんでん返しで凄いとしか言いようがないし😳 昭和感が堪らんしこの警察がおんのにどんどん殺されてくんが昔の本やなーってなった🤗 いや全然面白かったしどんでん返しも斬新やったな。からくりとかやっぱ楽しい♪ 調べたら松田優作さんが主演で映画化もしとるみたいで(有名な人って事しか知らんけど) 一昔前の映画みるんも一興やな🎥2024/11/15
餅屋
7
東西ミステリー国内34位▲隕石に当たるという奇禍で命を落とす。その葬儀も終えぬ内に…馬割家の人々のあいだで不可解な死が連続し…▼プロットとトリックが素晴らしい、キャラよく、とても読ませる作品です。柔道3段Eガタイの上に西洋人形の面が載り強気でサバサバした警官崩れ、舞子のキャラクターに心を引かれます。ボクサー崩れの勝君は、独断専行が過ぎ、惚れられやすい惚れっぽいE男。色っぽい真棹さんがネっ♪想定外のメテオから連続殺人、一族の謎、からくり、迷路とワクワクさせて見事に解決!タイトル回収‼ズバリ傑作(1978年)2024/09/15
花嵐
5
★★★★☆ 長編ミステリ。今作の中でも最大の肝となるトリックには早々に気付けた。というのも、とある作家のとある作品に似たトリック、というか趣向としてはそのままな話があり、それを前に読んだことがあったからだ。その作品のその大掛かりなトリックがだいぶ面白くて覚えていたので、この「乱れからくり」でもその作品に考えが行き着いてしまった。時系列的には「乱れからくり」の方が先なので、もっと前にこちらを読んでおけば逆の感想になったかもしれない…。宇内舞子のキャラが中々に個性的な女性で、好感が持てたのが特に良かったな。2024/11/27
yama1000
4
男女の仲が 急にここまでになっちゃうのはどうなのとか思いながらも、最後まで興味が尽きることなく、面白く読み終えた。2025/04/18