創元推理文庫<br> 白薔薇殺人事件

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創元推理文庫
白薔薇殺人事件

  • ISBN:9784488239053

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内容説明

ミステリ作家の卵であるアニーは、大叔母の住むキャッスルノール村に招かれた。大叔母は16歳のときに占い師から告げられた、いつかおまえは殺されるという予言を信じつづけており、大邸宅に住む奇妙な老婦人として知られている。屋敷を訪れると、大叔母は図書室で死んでいた。両手には血の痕があり、床には茎の長い白薔薇が落ちていた。予言が的中して自分が殺されてしまったときのために、大叔母は約60年をかけて親族や村人たちを調査していた。その膨大な調査記録を手がかりに、アニーは犯人探しに挑む。新鋭が贈る犯人当てミステリの大傑作!/解説=千街晶之

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

411
まずまず楽しめた。国内の新本格を読みなれていると、海外ミステリは総じてフーダニットとしては作り込みが甘く、憶測で一足飛びに真相に辿りついてしまうことが多いが、そもそも欧米では、この手のミステリの源流はクリスティであることが大半で、そういうムーブメントなのだと割り切って読むのが正解。フーダニットという文言を前面に打ち出して売ろうとしたのは、日本の出版社であって作家の罪ではない。人物にも魅力はあって、終盤のスリルと意外性はなかなかのものだったのではないだろうか。この水準で作品を発表し続けてほしいものだ。2024/08/07

stobe1904

101
【フーダニットミステリ】ミステリ作家になりたいアニーは疎遠だった大叔母に招かれて田舎町の屋敷に到着するが、肝心の大叔母が殺害されていた…。一風変わった遺言、怪しげな人物たち、数十年前に失踪した大叔母の友人の行方と大叔母の詳細な日記など、本格ミステリとしての建付けは十分に揃っていると思うが、登場人物が多く人間関係が複雑なため、ごちゃごちゃ感がぬぐえない。クリスティやホロヴィッツのようなすっきり収束した感じが持てない点が残念。★★★☆☆2024/11/10

yukaring

93
「おまえの未来には乾いた骨がある」16歳の時にそう予言されたフランシス。彼女は60年後に殺され白薔薇と共に屋敷の中に倒れていた…。過去の失踪事件と彼女が殺された今が交互に描かれるサスペンスフルな本格ミステリ。自分が予言通り殺される未来を恐れ、60年の年月をかけて周囲の人物を密かに調査してきたフランシス。そして彼女の遺言で犯人捜しは彼女の血を継ぐ若きアニーに引き継がれる。過去の事件とフランシスの死には関連があるのか?ユーモアがありテンポよく進むストーリーが読みやすく犯人当てをシンプルに楽しめる物語だった。2024/12/07

ばう

59
★★★ミステリ作家の卵アニーは小さな村に住む大叔母の家に招待される。そこで見たものは大叔母の死体。その傍らには白薔薇が。60年ほど前に受けた予言、友人の失踪の謎。なんだかゴシックミステリぽい雰囲気で始まるこの物語、登場人物が多すぎ。謎も後から後から湧いて出て来てみんな怪しいく思える。ということで最初読むのに何だかとても時間がかかったけれどクライマックスの場面からは一気読みみ。でも“犯人当てミステリの大傑作”とあるけれど“大傑作”というほどでは?ただ「イギリスの田舎の邸宅」は大好きなのでそこは堪能しました。2025/05/04

藤月はな(灯れ松明の火)

47
16歳の時に占い師から告げられた予言を信じて疑心暗鬼になっていた大叔母が密室で奇妙な死を迎えた。今の所、連敗中のミステリ作家の卵、アニーは遺産相続とこの謎を解く為に村での人間関係や過去を紐解いていくが・・・。大叔母フランシスの日記から明らかになった、女子同士のフレネミーや共依存の関係が赤裸々すぎてげんなり。現在パートでのアニーとジェニーのわちゃわちゃガールズトークを読んでいると猶更。同時にフランシスは情報収集能力はあるけど、分析力がない為にミス・マープルになれなかったんだなと思った。 2024/12/18

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