内容説明
千葉の巨大データセンター、サイバー網の急所・長崎、海底ケーブル船、そしてロシアの隣国エストニアへ。サイバーセキュリティと軍事のプロが最前線の現場で見たものとは。情報インフラと安全保障の要でありながら実態の見えにくいサイバー空間の可視化に挑む
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
楽
41
24年6月。24年末、バルト海で海底通信ケーブルが2か所切断され、切断された時間帯にロシアの港から出港して付近を航行していた中国船が監視対象になっているとの報道があった。この種の話は日常茶飯事で、海底で錨を引きずってケーブルを損傷させる手口があるらしい。25年には中国の大学が海底ケーブルを切断する装置の特許を出願をしていたとの報道もあった。スマホを見ていると通信は無線との印象があるが、海外との通信において人工衛星経由は全体の1%に過ぎず、ほとんどは海底ケーブルが使われているのだとか。地理的制約は免れない2025/03/07
特盛
29
評価3.2/5。サイバースペースは触れない空間だがその基盤はハードなくしては成り立たない。データセンター、海底ケーブルといったインフラの実情は、悪意の前にはかなりぜい弱だとの印象。ケーブルを広い海に縦断させるって凄いことだと思ったけど、実は電信の時代、1900年くらいから人類は縦横無尽に引いていたのは驚きであった。地球電力の2%がデータセンターで消費されていること、光ファイバーケーブルの盗聴の可能性や、ケーブル敷設船の実態、インフラに攻撃を受けた後の回復力が重要である点など知らないこと多かった。2025/02/12
kei-zu
26
サイバーパンクの嚆矢となったSF小説「ニューロマンサー」の冒頭になぞらえて、本書は「チバ・シティ」から始まる。ただし、訪れるのは成田空港近くの印西市の巨大データセンターだ。現代のサイバースペースを支える各地を訪れた上で、それらに対する軍事戦略上の指摘を重ねる。見えないが「確実にある」データ空間のあり方を興味深く思う。2024/06/25
鈴木拓
16
仮想空間というものがどのように実現しているかを考えてみれば、物理的なデータセンターやケーブルで成り立っているのは当たり前のこと。データセンターがどこに置かれていて、ケーブルはどのように張り巡らされているのか、それらが破損したり破壊されたりする危険性がどのくらいあるのか、そうなった場合に何が起きるのか、現状はその危険性がどの程度あり、防御策はどうなっているのか、といったことが書かれている。原発と同等に外部の攻撃から守るべきものがデータセンターだというのも納得。海底ケーブルの現状もわかり、危機感を覚えた。2026/01/01
とも
15
サイバースペースで第一章がチバシティ。まんまニューロマンサーではないか。と言うことで読まない選択肢はない。 データセンターの立地の条件、税制、法制度、地政学的リスクの低さ。海底ケーブルの危うさや置かれてる環境など。物理的実態としてのネット、サイバースペースがわかる。 知恵の働く国家や企業はそれらを取り込もうとしている。見えない戦いだ。 長崎には海底戦資料館があり、断線したケーブルなどが展示されているらしい。行ってみたい。2024/10/03
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