みじかい曲

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みじかい曲

  • 著者名:堀静香
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 左右社(2024/06発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784865284157

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内容説明

何もかもが自分とはちがう。それでいて、こちらのからだや心にやわらかく風が吹きこんでくるような、その風の手ざわりにはげまされるーー大森静佳



〈収録短歌から〉

どこへでもゆける身体を持っている ひとつだけ 風のぬくいはきだめ



朝ドラの明るい曲を口ずさむ 登場人物の少ない暮らし



目に見えるすべてを信じてからめとる従順なクイックルワイパーは



ずっと一緒にいると決めてもいいのだろうか大型トラックのんびり走る



オレンジのブラインドがみな降ろされて炎のなかのコメダ珈琲



きみが生まれて生きることだけ考えて 最後はおだやかに終わる曲



いい人と結婚したねと言われてもへんな真顔をつらぬき通す



骨だけがこの世に残るおかしさの掃き出し窓をあふれくる風



引き出物の写真立てにはシンプルな英字の「home」入れてたまるかhomeな写真



天国へゆくことだけをこの世のめあてのように鳩の首のきらめきは

目次

【目次】
ハイツやハイム
くす玉
やわらかい月
四角を磨く
スローモーション
抱擁と天丼
夜間係留
あたらしいメロディ
ちからうどん
喃語になって
あふれくる風
うつくしい皿
丸文字
滴るほうを
風紋
とどかないから
みじかい曲
首だけをきらめかせて
 
あとがき


服部真里子「いとおしいクイックルワイパー」
堂園昌彦「よく立ち止まる人に風」
大森静佳「永遠の考えごと」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

練りようかん

16
第一歌集。新婚や転居など新しい暮らしを想像させ、出来上がった他者の土地で発見する違和や異物感が立っていた。“言い合いの後のベランダやわらかい月の影まではじめて見た日”はイアアウアイの好きな形で、目と心の情景がしっくり重なっていい。“だんだんと饒舌になってゆく人の顎のあたりのなめらかな線”はわかるという気持ちで手を叩いた。字あまりがとても多いのだが、三名の栞文で定型からの抵抗や従順なものへのおそれとあり符合した。それによってぐっと好きになったのは“オレンジのブラインドがみな降ろされて炎のなかのコメダ珈琲”。2025/03/30

Kuliyama

1
素敵な歌集でした。2025/06/19

しお

0
雨のうたで知った方。 旅先の本屋さんで、ふと開いたページに「行きよりも帰りのほうが心地よいこの町をすこしだけ好きになる」とあって、すきになった方。本屋さんで手に取った時は、うすいさらさらしている膜があったけれど、図書館の本だから取られていてさみしい。あの町の本屋さんに膜つきのこの本を迎えに行きたい。2025/07/19

しーのこ

0
解説を読んだら余計に訳がわからなくなったけど、解釈の仕方が書いてあるわけじゃないのは、解釈の仕方は無限にあるからなのかな。 全然訳がわからないのもあったし、こうゆうことかもって思うのもあった。歌集ってそうゆうもんでいいと思った。2024/09/21

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