内容説明
情報経営イノベーション専門職大学(iU)学長、中村伊知哉氏推薦!
─クリエイティブ産業の力を最大化する政策と戦略とは。日本の知見がここに集結!
芸術や文化にまつわる産業、いわゆるクリエイティブ産業は、21 世紀に入ってから、グローバル化の一層の進展やデジタル技術の発展の強い影響を受けている。それ以前から大きなプレゼンスを示してきた米国だけでなく、韓国もそのトレンドにうまく乗り、韓流ドラマや K-POP は世界を席巻している。
日本のクリエイティブ産業においては、アニメやマンガ、ゲームなどが、ニッチながらも世界的に高い評価・人気がある。これに着目した「クールジャパン政策」は、2000年代から経済産業省で取り組みが始まり、当初、コンテンツ輸出の一段のてこ入れに力点を置いていたが、その意図通り成功したとは言えない。一方でインバウンド観光は、外国人観光客数がコロナ禍前を上回るなど劇的な成功を収めつつあり、クールジャパン政策は現在その力点を変え、また、他省庁も巻き込む形で進められている。
本書は日本において、この産業が持つポテンシャルを最大限に発揮させるための政策・施策と、現場における現状と可能性について、これまでの取り組みを十分にレビューしながら、社会全体の豊かさを実現するため、政策や法制度、またコンテンツ産業の産業戦略・経営戦略、さらには地域計画など、さまざまな角度から分析・検証し、今後の課題を提示する。
特に本書がユニークなのは、1つのテーマについて2人の、気鋭の研究者・実務家が、その専門性を活かし違った視点から接近している点であり、文化を担う産業を論じるにあたって求められる多様な構えに対応している。また扱う分野で分類された3部からなる構成となっている。
中央・地方の政策関係者はもちろん、クリエイティブ産業に関わる方が考えを深め、戦略を検討する際に有用。
目次
序 章 クリエイティブ・ジャパンの創出に向けて
河島伸子
第I部 クリエイティブ・ジャパン実現に求められる前提認識と政策・制度
第1章 クールジャパンを問い直す
A.レトリックとしての「クール・ブリタニア」
太下義之
B.全訳されなかった「マッグレイ論文」
―あるいは「ハローキティはWASP」という文化的逆説の捨象について―
三原龍太郎
第2章 政策立案・実行・評価の仕組み
A.我が国におけるシン・クールジャパン政策の今後の展望
―Web3.0 時代の政策立案体制、超広域連携の方向性―小田切未来
B.クールジャパン政策評価
―最適政策手法の選択―
八木 匡
第3章 文化を支える法制度
A.著作権とコンテンツ産業
河島伸子
B.文化経済政策のリーガルデザイン
水野 祐
第II部 クリエイティブ・ジャパンを支えるビジネスとテクノロジーの生態系
第4章 企業支援の手法
A.文化産業における企業活動支援施策の有効性と射程についての一考察
境 真良
B.アートは未来創造のキーワードとなるか
崎本哲生
第5章 企業と人的資本
A. 企業・ビジネスパーソンによるアート作品の購入と活用の実態と課題
綿江彰禅
B. プロデューサーシップと今後のコンテンツ産業
山下 勝
第6章 技術と産業の仕組み
A. 技術変化に対応するためのクールジャパン政策
―コンテンツ、技術、ビジネスの相互作用―
生稲史彦
B.適正な分業体制の構築に向けて
半澤誠司
第III部 クリエイティブ・ジャパンの地理学―グローバル・ローカル・サイバー―
第7章 クリエイティブの厚み
A. グローバルな現代美術における我が国からのイノベーションとゲームチェンジ
―チームラボによる革新から―
岡田智博
B. 創造性を育てる都市の風景
―欧州都市が挑むポストコロナ時代の社会づくり―
鷲尾和彦
第8章 デジタル技術と情報流通
A. コンテンツ産業とネット炎上
―人類総メディア時代の表現―
山口真一
B. 越境する力を持つ作品(ミーム)が生み出す文化経済的インパクト
坂田一郎
終 章 クリエイティブなジャパンへ
生稲史彦
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