ちくまプリマー新書<br> 悪いことはなぜ楽しいのか

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ちくまプリマー新書
悪いことはなぜ楽しいのか

  • 著者名:戸谷洋志【著者】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2024/06発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480684882

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内容説明

「やられたらやりかえす」「ルールは破るためにある」「空気なんて知らない」「意地悪したい」「自分が楽しければいい」 これに共感する私って「ふつう」ですよね? ちょっといけないことをしたとき、ドキドキして心が躍る。意地悪、自己中、復讐にも絶妙な快楽がつきまとう。なぜ、私たちはそんな気持ちになってしまうのか? 私たちのよくない部分から、悪と善を考える。

目次

はじめに/第一章 自己チューなのはなぜ楽しいのか/勝手にハモらないでくれ! /平等の弊害/万人の万人に対する闘争/リヴァイアサンとしての権力/自己中がそれ自体で悪ではない/カラオケにおけるエゴイズム/第二章 意地悪はなぜ楽しいのか/魔王には「ぐおおおおおおお」と言ってほしい/なぜ人は悪意を抱くのか/さまざまな悪意/『こころ』における嫉妬/意地悪と同情/性格は変えられる? /第三章 復讐することはなぜ楽しいのか/「ぐぬぬ」顔を見せてみろ/復讐は悪いことか? /神なき世界の倫理/苦痛と快楽の両立/正義にかなった復讐/お金の有効性と限界/第四章 自傷行為はなぜ楽しいのか/筋トレは自傷行為か? /リストカットはいけなそう? /断食に誇りを感じられるか/誰もが納得できる行為とは? /人間の尊厳/自傷行為をしてはいけない理由/第五章 空気を読まないのはなぜ楽しいのか/制服を着崩す権利/「空気」の同調圧力/時代を支配する空気/なぜ人は空気を読むのか/本来性を取り戻す/空気を読まないで生きていこう/第六章 反逆するのはなぜ楽しいのか/空手とブレイクダンス/ルールを変えることの難しさ/「正しい生き方」とは何か/反逆の暴力性/複数性と全体主義/正しく反逆するために/「悲惨な人々」を生まないために/おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

118
重くて大切なことを、分かりやすい言葉で語る戸谷さんに注目している。本書は倫理学。エゴイズム、意地悪、嫉妬、復讐、空気を読まない、反逆というテーマを、具体例を用いて紹介し、「当たり前」を問い、「よい」と「悪い」の境界を考える。それを通じて、ホッブスの「リヴァイアサン」、ショペンハウエルの「悪意」、カントの「ルール」、ハイデガーの「本来性」、アーレントの「複数性」などの哲学的な重要概念に導く構成は見事。漱石の「こころ」や「カラマーゾフの兄弟」などの文芸作品の引用も魅力的。プリマー新書に相応しいいい本だと思う。2024/07/26

☆よいこ

77
分類150。善と悪について。哲学についての本なので答えが書いてあるわけではない▽[1.自己チューはなぜ楽しいのか]それ自体は悪ではない[2.意地悪はなぜ楽しいのか]悪意、嫉妬、意地悪[3.復讐することはなぜ楽しいのか]苦痛と快楽の両立[4.自傷行為はなぜ楽しいのか]よい自傷と悪い自傷[5.空気を読まないのはなぜ楽しいのか][6.反逆するのはなぜ楽しいのか]反逆の暴力性を知っておくべき▽読みやすいが、高校生向きかも。悪いことをして後悔しているなら「もう二度としない」こと。前を向いていきましょう。2024.62024/11/26

れっつ

40
目を引くタイトルに知りたい欲を刺激される。このような本を待っていた。文学博士かつ哲学・倫理学者でもある著者が、身近な自分の体験や内外文学の例、そして名だたる哲学者たちの考え方を紹介しながら、湧き上がる疑問に従い、順を追ってフレンドリーに分かりやすく解説していく本書。世の中の、良くないと思われる数々のことを分析し、何故そうなのか、果たしてそれは本当か、と根本を問い直すことは今の時代必要不可欠。世間や同調圧力に加担せず、唯一無二の自分自身として生きるために知るべき内容が満載。大人も中高生も一読の価値ある1冊!2024/08/17

ちさと

24
「悪いことはなぜ楽しいのか」という問いをスタートに、では良いことと悪いことの境界線は誰が決めたのか?など、当たり前を問い直す倫理学の道案内。愉快犯の精神分析のような心理学的アプローチではないことに注意。 エゴイズム、意地悪や復讐の快楽について近代西洋哲学者の思想を説明しながら哲学的に解説するもので、タイトル回収せずに問を読者に投げかけて終わっているところが哲学的。常識に縛られる日本人こそ知っておきたい内容。 刺激的なタイトルの割に内容は少し物足りないが、逆説的に倫理学アプローチする発想は面白いなと思った。2025/07/17

Narr

23
人間の悪性から、悪である(あるいは、悪とされている)のになぜ楽しいのかを先人の知恵を借りつつ考え、悪性との付き合い方を探す内容。「なぜ」への回答は第二章「意地悪はなぜ楽しいのか」に直接的な記述があるかと思ったが、どうも納得のいく答えがなかった。エゴイズムから派出したものが悪意であるとしても、それらは社会では基本的に制御されているわけで…。先天的な性格という身も蓋もない結論ではない分析が欲しかった。ただ、悪意を持った自分をどうコントロールするか、という論点については非常に参考になる論旨かと思います。2025/05/18

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