河出文庫<br> 大阪

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河出文庫
大阪

  • ISBN:9784309420936

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内容説明

大阪へ来た人、大阪を出た人――かつていた場所と今いる場所が「私」を通して交差する。街と人の呼吸を活写した初共著エッセイ。文庫化にあたって書き下ろし収録。解説:西加奈子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

10$の恋

33
私がこの本を読んだんは、ふと自分が生まれ育った大阪を振り返りたいからかも知らへん。書き手は作家の岸政彦さんと柴崎友香さん。岸さんは大学入学から大阪へ移住、逆に柴崎さんは大学卒業まで大阪在住して東京へ。さてさて対照的なふたりの大阪とはどんなんやねん。交互エッセイてか自伝ぽくて"歯の浮くような大阪賛美"じゃない体験談や視点がかえって「うんうん、それが大阪やねん」て思わしてくれる。出てくる地名や町の様子が細か過ぎて、たぶん大阪人にしか理解でけへん本やと思たわ(笑)。しかしまぁ、日本全国どこでも住めば都でんな。2025/07/26

わむう

29
柴崎友香さんと岸政彦さんによる往復エッセイ。テーマは「大阪」。柴崎さんと年が近く、ミナミに同じタイミングで遊んでいたみたいで、もしかしてすれ違ったことぐらいはあるのかもと思いました。「そんな店あったあった!」と詳細なところまで覚えていて、やはり作家さんは違うのだなと感心しきり。しかも、解説が西加奈子さんと超豪華でした。 2024/12/03

桜もち 太郎

26
岸政彦と柴崎友香、解説が西加奈子ならと手にした。「大阪」をテーマにした往復エッセイ。岸さんは住んでいる、柴崎さんは住んでいた立場で書かれているが、二人の思いは同じだ。岸さんのコミュ力、柴崎さんの記憶力の凄さに驚く。印象的なのは二人とも維新の会の政策に否定的だったこと。巨額の資金をつぎ込んで万博を開催する意味、本来あるべきものが、無駄の二文字で切り捨てられたこと。それでも大阪への思いは消えることはない。自分には所在地に対する思い入れは全くなく、負の感情さえ持っている。そう考えると大阪は不思議な場所だと思う。2025/01/11

阿部義彦

26
少し前の河出文庫新刊、どちらの著者の本も馴染みで、この本も評価が高かったので遅ればせながら、まずお二人の文章の密度の高さには驚きました、大阪に偏在した過去のあれこれそして、場所としての大阪そこに生きる人をさりげなくだが、濃密に描き出してくれます。飼っていた猫、嫌いや受けた面接、商店街、災害、飲み友達、コンサート、お二人とも文化人類学、人文地理学に造詣が深いだけに素敵なコラボとなりました。表紙のイラストも素晴らしいですがその見返しでカバーイラスト◎名久井直子、カバーデザイン◎小川雅章は逆だと思う。校正ミス2024/05/11

hippos

24
大阪をテーマにしたエッセイ。いつのまにかこびりついてたイメージを柔らかく剥いでそれぞれの町が浮かび上がる。あぁ、こんな町に住みたいなと素直に思えた。 岸政彦・柴崎友香の共著。どちらも初読みかと思っていたら、岸さんは「東京生活史」、柴崎さんは「帰れない探偵」が積読状態だった。2025/08/02

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