ただ生きるアナキズム

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ただ生きるアナキズム

  • 著者名:森元斎
  • 価格 ¥2,860(本体¥2,600)
  • 青弓社(2024/05発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784787210593

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内容説明

国家や資本主義が私たちの欲望をさまざまに制限する現代にあって、「ただ生きる」とはどういうことか。「ただ生きる」ために、私たちは何をすべきなのか。

アナキズムの観点から、キング・クリムゾンを聴き、ゴダールや石牟礼道子の物語に飛び込み、デヴィッド・グレーバーや鶴見俊輔と対話してその思想を大胆に読み替える。社会の編み目にある暴力や非対称な関係性をあぶり出し、それらを避けるための基盤として相互扶助があり、自由があり、欲望があることを描き出す。

音楽や映画、文学、思想を軽やかに跳躍して、硬軟織り交ぜた文体とときに挑発的な語り口で国家や資本主義と対峙する。そして、不断の努力と相互扶助で日々の営みを支え、小さなさざ波から大きな潮目を変えていく、日常にあるアナキズムの可能性を活写する。

目次

0 序に代えて

音楽篇

1 東京の西から――フィッシュマンズについて
2 ルー・リードとニューヨーク
3 特異性の論争(ルビ:コントロヴァーシー)――プリンス、その経験の雫
4 キング・クリムゾンの残響――一九六九年の精神史
5 「少しづつ身体は死んでく」――ceroにまつわる思い出話
6 土と音楽

映画篇

7 after the requiem――ジャン=リュック・ゴダールの脱構成
8 王をたたえない――『バーフバリ』について
9 映画のなかのアナキズム――『金子文子と朴烈』(監督:イ・ジュンイク、二〇一七年)論
10 俺たちは共産主義者だ――『ギミー・デンジャー』
11 「力」のための覚醒剤――スパイク・リーのために
12 チョッケツ、アジア――空族『バンコクナイツ』
13 狼の夢/夢の狼――『狼を探して』(監督:キム・ミレ、二〇二〇年)

文学篇

14 森崎民俗学序説――森崎和江における「水のゾミア」の思想
15 瀬戸内寂聴のアナキズム
16 悶え加勢すること――石牟礼道子について
17 鉱物的な眼――谷川雁
18 地を這う精神――『はだしのゲン』
19 月と靄――稲垣足穂におけるリーマンと相対性理論、タルホ・コスモロジー

アナキズム思想篇

20 石川三四郎における地球の思考――ヨーロッパ滞在から土民生活へ
21 ダンスができない革命なんていらない――ルクリュからグレーバーまで
22 アナキズムの自然と自由――ブクチンとホワイトヘッド
23 抵抗とは生である
24 ロジャヴァ革命について

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ひるお

1
哲学・思想史研究者の森元斎による著作集。タイトルにある通り、アナキズムに引き付けて書かれたものが多く、特に音楽や映画を論じた内容が多いところは重要、かつ、文献を探す学部生にとっては良い導入になるだろう。ただ、個人的には森の文章がどうにも読みにくく、さらさらとはいかなかった(これは『もう革命しかないもんね』を読んだときにも思ったこと)。とはいえ、上野千鶴子『マイナーノートで』で取り上げられていた森崎和江が出てきたり、偶然の喜びを感じることはできた。そしてロジャヴァの音楽、すごくいい。2025/06/29

圓子

1
著者のことはなにも知らずにタイトルだけみてレジへ。9.11の体験談におや…と奥付みたらやはり同い年。ああ。郊外とはいえ東京の男子高校生と北関東の女子高校生はみていたものがちがう。みてきたものがちがう。わたしは拭えない僻みに舌打ちしてしまう。抵抗の手段としての暴力にはまだ納得がいってない。ロジャヴァがきになる。2024/07/27

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