内容説明
こんな美しい日に、私は息子を殺すのだ――。
建久10年(1199)、源頼朝と北条政子の間の息子・頼家が将軍職を継いだ。
だが頼家は酒色に興じ、その期に乗じ、
政子の弟・北条義時は頼家の側近の梶原氏の失脚を画策する。
さらに北条家の危機を避けたい義時と政子の父・時政は
頼家の排斥と実朝の将軍擁立を主張、政子は武士の府を守るため、
自ら頼家に毒を盛り、最終的に頼家は謀殺される。
頼朝亡き後、弟・義時とともに、多くの政敵を滅ぼしていく北条政子。
“夜叉のごとき”苛烈さで幕府を守り抜いた政子を描く迫力の歴史巨編。
解説=本郷和人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かずぺん
2
好きな作家です。尼将軍を主人公にするのは難しいですね。2024/08/01
白隠禅師
1
自分の子供達が全員先に死んでしまったときの政子の気持ちを思うと辛い。それでも必死に幕府を守った強い女性。この人がいなければ承久の乱で勝つことはできなかっただろう。その後鎌倉幕府が滅亡するまで争いは終わらないがその続きも読んでみたい。2024/08/23
青空のゆくえ
0
結局のところ、鎌倉の武士の府を守るというお題目を隠れ蓑に北条義時は、北条氏の勢力拡大を図り、何だかんだ言い掛かりを付けて、比企氏や安達氏等有力御家人を葬り去り専横を極めた。同じく専横を極めた父時政を追放したが、結局は義時も父と同じ独裁者であった。古の鎌倉の独裁者二人には天罰が下ったが、21世紀の独裁者にも天罰が下って欲しいと願う今日この頃である。プーチン、ネタニアフ、トランプ・・・。2025/03/17
グランくん
0
頼朝亡き後の、北条政子を描いた物。 若き頼家が将軍となり、13人の合議制にした。しかし、頼家が独裁に傾きつつあり、政子と弟の義時は頼家が頼りにしている梶原家と比企家を滅ぼす。そして、頼家も亡き者にすべく動く。 武家政権と北条家を死守する為、鬼にも夜叉にもなる政子の姿が描かれております。2025/01/16