内容説明
その神は、犯人だけを言い当てる。
「犯人の名前は羽柴理沙。年齢は二十三歳。職業は――」
全国の殺人事件・行方不明者などのビッグデータを“喰らい”、未解決殺人事件の犯人の名前を告げる神・シラツカサナギ。
一見便利に見えるサナギだが、大きな欠点があった。犯行の“過程”がわからないのだ。そのため神が告げた穴だらけのヒントをもとに、欠けてしまった真実のピースを補い容疑者の有罪を立証する「カミガカリ」と呼ばれる者たちが秘密裏に組織され――。
デジタルデータで繋がれた、神と人との二人三脚での探偵行為。第1回「AIのべりすと文学賞」小学館賞受賞作。神がフーダニットを、人間がハウダニットを担当する新感覚ミステリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナオフミ
29
今までのミステリー小説にはない視点で描かれた推理はとても新鮮で面白いものでした。しかし、その視点の推理要素からかなり作中での時間と現実でのページ数がかかり、個人的には一つの大きな話にするか複数少なくても4つ以上の短編にするなどしてもっと堪能したかった。また、せっかく魅力的な登場人物が出てきたが、その数が多くこの作品内では表せていない部分が多くあるなと感じました。2024/07/06
佐倉
14
AIのべりすとで出力した”事件と犯人”のテキストを元に推理小説を組み立てるという方法で執筆されたそうだが、この書き方自体をさらに”神様にデータを饗すると事件の正解が与えられるので、それを立件するために推理で補強する”という伝奇小説の設定に昇華するという発想が非常に面白くワクワクする。現代社会で起こる犯罪を神様の力で解決していく『カミガカリ』伝奇的な設定の開示がメインとなる『カミハカリ』『シラツカサナギ』の三作が収録。一作目の神様から出力された犯人像と名前から解決する方向の作品をもっと読んでみたいと思った。2024/06/21
きゅうくつ
8
AIが描き出した犯人像にあわせて執筆されたという挑戦的作品。小説生成AIをこんなふうに使うとは。よく思いつくなぁ。2024/06/26
にぃと
7
最初に犯人が明かされるタイプのミステリ。そして作中の一部に生成AIが使われているとか。道理で巻末に「本書のプロフィール」なんてものがあるわけだ。AIの作った犯人像にあわせて整合性のある中身を考えていく、っていうのは試みとしては面白いし、いっそそういう大会とか賞とか企画にしてほしい。作者オリジナルであろう部分も面白い設定だと思うし、シラツカサマ以外の神様や語られるだけの登場人物など、まだまだ広がっていけば面白そうなところもあるし、続巻等今後にも期待していきたい。2024/06/08
☆Ruy
6
小説生成AIを使った作品。犯罪のビッグデータを食べて(取り込んで)犯人を特定、そこから動機や犯行手段を調べる。倒叙ミステリーともちょっと違う。面白いけどちょっと機械的な文章かなっと感じる。 同じ内容の表記が何度も出てくる所が機器との会話のような無機質さを感じるところもあった。 生成AIって凄いわぁと感心したり、シンギュラリティを思い出しちょっと恐怖したり。いろいろと考えさせられた作品。イラスト、曲、声優さんの声とかがデータとして取り込まれ、AIが作品を生成。アーティストさんも作家さんも心穏やかでいられる?2024/12/02
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