内容説明
ダヴィデ、システィーナ礼拝堂天井画、「最後の審判」などで知られるルネサンスの巨匠ミケランジェロ。彫刻や絵画のみならず、建築、素描、詩篇にいたる超人的な芸術活動の核心には何があるのか。八九年に及ぶ波瀾の生涯をたどりつつ、代表的な作品を精緻に読み解き、そこに秘められたメッセージを解明していく。レオナルドの対極に位置する「混沌(カオス)」を生きる芸術家として再発見し、ミケランジェロ像を刷新する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュンジュン
13
これは本書の魅力であり、ただ僕的にはマイナスなのだけれども、ミケランジェロに対する著者の距離感が前のめり過ぎるように感じる。あとがきの言葉~「誰もが自らの眼と感性で作品と向かい合うために、この本が役立てればと願っている」とおり、著者の想いと感性で論じすぎている。個人的にはもう少し客観的な姿勢が欲しい。システィーナ礼拝堂の「天地創造」と「最後の審判」の解説は、口絵とにらめっこしながら楽しめた。2021/01/29
Narr
9
ミケランジェロを「混沌」を生きる芸術家としつつ精神的営為である芸術表現に迫る。著者はミケランジェロを秩序を探し求めたレオナルド・ダ・ヴィンチと対置するが、作品を通すと唸る。特にシスティーナ礼拝堂の天井画と「最後の審判」。「最後の審判」については伝統的な構図をガン無視、天使・使徒・聖人の位階も無視、アトリビュートも極力描かず、しかしこの世の誰も見たことのない最後の審判という「混沌」を描くその「テリビリタ」。著者はこの壁画を鑑賞者の幻想的な経験が為される舞台に喩えるが…。いつか体験しに現地に行きたい…。2020/08/05
中島直人
8
コスモスケープのダ・ビンチ、カオスケープのミケランジェロ。面白い視点。ミケランジェロの生涯を、一つのストーリーとして見ることが出来、私的にはスッキリ。2015/09/16
中島直人
7
(図書館)再読。ダ・ヴィンチを理性の人として、その対極、カオスの人としてミケランジェロに触れていく。著者が大切に大切に述べていくのが心地良い。2022/01/18
おとん707
7
ミケランジェロの作品を見るうちにその生涯に疑問を持った。ローマ教皇に仕えたり、対するメディチ家に仕えたり、また共和制を支持したり転向の連続だ。彼の作品解説書は多いが伝記本は少ない。本書は伝記本ではあっても作品解釈が中心であり始めは戸惑ったが、やがて彼の行動を理解する鍵はその時々の作品自体にあることがわかってきた。伝記としての事実と著者自身の思いが強い作品解釈が混然としているので読みやすくはないが、謎は少し解けた。例えばシスティナ礼拝堂の天井画や最後の審判にしても当時の教会への疑問が反映されているようだ。2020/03/30
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- 2番セカンド【分冊版】9




