内容説明
17人の書き手が自らの「身体」と向き合って記す、生きるためのリレーエッセイ
私の身体はほんとうに私のもの? 私の身体はどんな視線にさらされ、どのように規定され、内面化されているのか。17人の人気小説家・美術作家・コラムニスト・漫画家・発明家が自らの「身体」と向き合い、ときにユーモラスに、ときに激しく、そしてかつてない真摯さで文章をつむぐ。「文學界」人気連載がついに単行本化。
著者は島本理生、村田沙耶香、藤野可織、西加奈子、鈴木涼美、金原ひとみ、千早茜、朝吹真理子、エリイ、能町みね子、李琴峰、山下紘加、鳥飼茜、柴崎友香、宇佐見りん、藤原麻里菜、児玉雨子の17人。
自分と自分の身体の関係を見つめる言葉が、これまで読んだことのない衝撃と共感をもたらす。
【目次】
島本理生「Better late than never」
村田沙耶香「肉体が観た奇跡」
藤野可織「「妊娠」と過ごしてきた」
西加奈子「身体に関する宣言」
鈴木涼美「汚してみたくて仕方なかった」
金原ひとみ「胸を突き刺すピンクのクローン」
千早茜「私は小さくない」
朝吹真理子「てんでばらばら」
エリイ「両乳房を露出したまま過ごす」
能町みね子「敵としての身体」
李琴峰「愛おしき痛み」
山下紘加「肉体の尊厳」
鳥飼茜「ゲームプレーヤー、かく語りき」
柴崎友香「私と私の身体のだいたい五十年」
宇佐見りん「トイレとハムレット」
藤原麻里菜「捨てる部分がない」
児玉雨子「私の三分の一なる軛(くびき)」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
546
終えてからレビューを書くのに48時間を要した…くらい難しいアンソロ。なじみの作家さんから作家さんですらないはじめましての方まで。もっと女性という性と性(セックス)に特化した内容かと思えばそうばかりでもない。性の芽生えから、偏頭痛・不眠まで。ままならない身体を抱えながら(そしてそれは老化とともに悪化することも多い)そんな身体と生きていくしかない女性たち。なかには「フィクションでないのにそこまで言っちゃっていいの?」的なセキララな内容もあり。苦手な読者も多いだろうが、わたしは(この年齢で)読めてよかった。2025/06/15
nonpono
140
流行り病に罹患中、熱があがるような本を真夜中に読んだ。作家が自分の「身体」について書くリレーエッセイ。痴漢、性被害、売春、自慰、SM、BL、性癖、妊娠、様々な角度から自分を語り振り返りこれからを願う。赤裸々なんて甘い言葉は使いたくない。真摯なのである。わたしの過去の扉も開いていく。わたしは今は更年期ぽいけど少し安堵している。もうさんざん呪文みたいに何百回と聞かれた、「結婚は?」とか「子供欲しくないの?」とかの問いかけがないからだ。わたしの領域にずけずけ入り込まれたくなかった。わたし、もうすぐ48歳になる。2024/08/24
R
138
様々な作家によるオムニバスエッセーなのだが、軽々に語ることの難しい題材を扱っていて非常に興味深い一冊だった。このテーマにおけるそれぞれの過去や考えというものが、かなり直截に語られていて、作家によっては言葉で切り殺されそうな強いものを感じた。女性の身体を持つということで、大小さまざまなことが起きていて、それが一種の思想めいたものにより左右されているということへの怒りなどの感情が渦巻いていて、またその方向性がそれぞれで異なっている複雑さが、非常に興味深いと思えた一冊だった。2025/02/24
fwhd8325
132
女性同士の会話の中で下ネタが語られると書いてあったように思います。なかなかストレートで面白いエッセイ集だと思います。これだけ赤裸々に語られると、一周回って重い、重すぎるようにも感じます。しかし、こうした企画が出版されると言うことはいい時代になったなと思います。2024/07/30
うっちー
118
各作家の小説を読んだ読後感とイメージが異なる方が多かったです2024/10/03
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