内容説明
10年間、あなたの代わりに読んできました。政治家本から文学まで、話題書150冊の「肝の1文」を並べてみたら、いまの日本に至るまでの進歩、退歩、あし踏みが見えてくる。「週刊朝日」連載の「今週の名言奇言」を再編集・再構成した一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
113
週刊誌の連載から、政治・社会/話題の文学作品/文化と暮らしと芸能の3部に分けて154冊の書評が収録されている。本屋で一度は手に取ってはみたものの買うほどでないと放置した本が多く、そのエッセンスを、こうして約千字の書評で理解できるのは有難い。正に、斎藤さんが「あなたの代わりに読みました」というのがピッタリ。こんなレビューを書けたらと羨ましくなるような文章に、書評家としての斎藤さんの魅力を満喫する。ただ、唯一の懸念点は、時々文章の主語が分からなくなり、著者の主張か、斎藤さんの主張かの判別が不明になること。2024/09/16
明るい表通りで🎶
39
文芸批評家の斎藤美奈子が、「あなたの代わりに読みました」厳選の政治から文学までの150冊を豊かに解説。働き方、地域、仕事、歴史、ジェンダー、経済、原発、差別、暮らし。また読みたい本が増えた(^^)2024/09/17
akihiko810/アカウント移行中
34
週刊朝日連載の書評コラム集。印象度B 1冊2Pの書評なので、読みやすい。文芸、社会ノンフィクション、自己啓発となんでもござれで、普段は絶対読まないような本ばかりだったので、ふーん、と思いながら読んだ。 〈読書量と年収は比例する〉〈年収の高い人は読書量も多いと結果が出ています〉という主張の本があるそうだが、本物の読書家は、働く間を惜しんで読書してるので、働かないから収入はないぞ。2024/09/20
おかむら
30
「週刊朝日」連載の書評コラム10年分から硬軟取り混ぜて154冊を選んで見開き2pでご紹介。斎藤美奈子曰く書評は映画で言えば予告編だそう。うん確かに。読みたくなっちゃった本がいっぱい。ナベジュンの遺作で地方紙での連載が次々打ち切りになったという問題作「愛ふたたび」とか。ほんとに作って食べてみてまずかった「戦国、まずい飯」とか。サザエさんちがゴミ屋敷になっている未来を描く「カツオが磯野家を片づける日」とか。週刊朝日は廃刊になっちゃったからこの連載、どこか別の媒体で続けてほしいわ。週刊文春にこないかなあ。2024/09/11
阿部義彦
26
斎藤美奈子さんが今は亡き週刊朝日で「今週の名言奇言」として連載した書評集が単行本としてまとまりました。選書は著者に任されて自由なので、文学、ビジネス、タレント本、政治、経済、歴史、ルポなど何でもござれ。見開き2頁で1冊を紹介しています。ベストセラーも有れば硬派の新書も有り、読むべき本か分かります。傑作は278頁、〈読書量と年収は比例する〉〈年収の高い人は読書量も多いと結果が出ています〉と、読書家に喧嘩を売る精神科医の本。美奈子の嫌味爆発。私からのツッコミ『脳内革命』のサンマーク出版の本だから相手にするな。2024/06/09