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内容説明
シモーヌ・ヴェイユの34年の生涯は,「地表に蔓延する不幸」との闘いであった.工場でも,戦時下でも,嘘偽りなく,ありのままに世界をみようとした.膨大なテクストを読み込み,比類なき誠実さと,その原動力となった清冽な思考の全貌をみずみずしく描きだす.第一人者によるヴェイユ研究の決定版を文庫化.
目次
序 章 家族・師・独立――パリ(一九〇九―三一年)
1 伝説のアナトミー
2 思考のディアレクティケー
3 アランの哲学工房にて
第一章 全体主義と革命幻想――パリ/ベルリン(一九三〇―三三年)
1 世界との最初の接触
2 ドイツへの旅
3 有効な行動への模索
4 革命と抑圧のメカニズム
第二章 「遺書」としての「自由と社会的抑圧」――パリ(一九三四年)
1 原初の自由と社会の抑圧
2 分業の功罪
3 デカルトと近代科学の冒険
4 科学教育の大衆化
5 貨幣・機械化・代数学
第三章 教室・工場・戦場のはざまで――パリ/バルセロナ(一九三四―三六年)
1 教室から工場へ
2 テオリアとプラクシスの統合
3 工場から戦場へ
4 変貌するマルスの顔
第四章 大戦への序曲――ヴェネツィア(一九三七―三八年)
1 美の啓示
2 サン=レアルの創作と史実のヴェネツィア
3 転移する根こぎの悲劇
4 不幸な人びとの怨嗟と都市の存亡
5 憐れみと贖いの悲劇
第五章 不幸と注意力――ポルトガル/アッシジ/ソレーム(一九三五―四〇年)
1 無辜の人間の苦しみ
2 神と人間の認知のドラマ
3 不幸と匿名性
第六章 政治の空白と思索の充溢――ヴィシー/マルセイユ(一九四〇―四二年)
1 共和国の終焉
2 帰農の歓び
3 ヴィシー症候群
4 叛逆者/数学者の系譜
5 権力を増幅させる想像力
6 ローマとイスラエル
第七章 大戦と戦後のはざまで――ニューヨーク(一九四二年)
1 亡命者の敗戦処理
2 創造的注意
3 「前線看護婦部隊編成計画」
第八章 政治理論と神秘神学――ロンドン(一九四二―四三年)
1 根づきへの序章
2 権利と義務
3 人格と非人格の弁証法
4 思考の自由
第九章 根こぎと根づきの弁証法――ロンドン(一九四三年)
1 根をもつこと
2 金銭の功罪
3 根こぎと国民
4 仲介または架け橋
終 章 最後の使信――ロンドン~アシュフォード(一九四三年)
1 果実の放棄
2 有効な死
おわりに
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