内容説明
【電子版巻末には水川雅也先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】
住んでいた賃貸マンションで火事があり、急遽引っ越すことになった頑張り屋の社会人・ゆり子が紹介されたのは、
「築35年・動物入居可能」の物件だった。
階下に住むのは、胸の三日月模様が印象的な、人(?)の好いツキノワグマ。
誰かとコーヒーを飲むのが大好きで、はちみつケーキが大好きで、ヒグマさんのビールが大好きで、お鍋が大好きで、
冬眠の前にはクリスマス・お正月・バレンタインの贈り物などを一通り済ませてから眠りにつく。
そんなのんびりとしたクマと日々を過ごすうち、ゆり子の少し疲れた心は優しくほぐされていく。
そして彼女はいつしか、ずっと背を向けていた母と向き合ってみようと自然と思えるようになり――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Roko
30
ゆり子さんが住む町は、このクマさんだけでなく、三毛猫さんの食堂とか、古紙回収をしているヤギさんや、荷物を配達している黒猫さんとか、いろんな動物がいて、みんな仲良く暮らしているんです。こういう世界って夢のようです。人間同士だといがみ合うことがけっこうあるのに、いろんな動物たちとの関係はとっても優しさに溢れているのです。以前ゆり子さんが住んでいた賃貸マンションに放火したのがカワウソってあたり、川上弘美さんの影響を受けているのかしら? #下の階にはツキノワグマが住んでいる #NetGalleyJP2024/05/20
もちこ
11
人間のゆり子さんと、隣の部屋に住むツキノワグマのお話。 人間と動物が当たり前のように会話をして、生活をしている様子が、川上弘美さんの『神様』みたいだな〜と思っていたら、参考文献のページに書いてあったので「やっぱりー!」とつい嬉しくなってしまった。 となりのクマさんとお散歩したりお茶したり、他の動物たちとも仲良くなったり。 おとぎ話の日記版のような、ほんわかするお話。 ゆったりした雰囲気で和みたい人におすすめ。2024/05/02
Mayuko Kamiwada
6
住んでいたマンションに火事があって、引っ越すことになったゆり子。引っ越した先のところには動物が入居可の場所。下の階にはツキノワグマが住んでおり、ひょんなことから親しくなり一緒に食事をしたり、出かけたりする仲になる。ツキノワグマのクマさんのゆるい調子がなんともいえない。天然だけど、頑固でゆり子の背中をそっと押してくれる存在。本書の中に登場する食べものが全て美味しそうで、特に三毛猫の定食屋がやっている定食がどれも食べたくなった。自分の家に猫がいるが、もし現実に話せるとしたらどんな話をするのか妄想が膨らむ。2024/05/07
色素薄い系
4
NetGalleyより。何かある度に「やったー!」と素直に喜びを表現するクマさん、可愛いね。たたきにされたくない鰹がカワウソとバトったり割とカオスな世界ではあったけど基本はゆり子さんとクマさんのほのぼのした日常が描かれる優しい世界。あらすじからは見えない世界が広がっていたのでクマさんのおばあちゃんに会いに行く話も読んでみたかった。2024/04/08
美月
1
残り100ページを切ったところでリタイヤ。2024/09/27