内容説明
引退した刑事・三ツ輪勝也が殺され、その孫娘である楓花が誘拐された。身内を巻き込んだ犯罪に怒りを隠せぬ捜査一課。鳥越恭一郎も、捜査へと駆り出されるが、事件の現場となった胎岳村は、かつて三ツ輪が追いかけていた、未解決の少女殺害事件が起きた場所だった。村は『十雪会』と名乗る新興宗教の拠点であり、警察と軋轢がある。果たして鳥越は、村に潜む人の姿をした悪意を暴き、楓花を救うことが出来るのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
145
居た。確かに悍ましい獣が存在していた。新興宗教の名の下に人生を狂わされた人間がいたのだ。嗚呼、子供が巻き込まれる事件は辛い・・プロローグとエピローグの繋がりが好い鳥越恭一郎シリーズ第3弾!このシリーズならではなのだが、私の苦手な鴉は今回もナイス相棒だったし、恭一郎のギャップにも慣れてきた感じ。今回バディを組んだ長下部に自宅で相棒との交流を見せられるってことがなんだかとてもしっくり来た。弟・伊丹との距離もゆっくりと縮まると良いなぁ。ってことで次回も楽しみにしている。2024/05/24
モルク
105
二枚目だが友人を持たず鴉だけが友である捜査一課の鳥越恭一郎シリーズ第3弾。引退した刑事三ツ輪が殺され7才の孫娘が誘拐される。その刑事らしからぬ風貌から捜査に駆り出された鳥越は現場の限界集落に向かう。そこはかつて未解決の少女殺害事件のおこった地であり、新興宗教の拠点でもあった。三ツ輪の意志を継ぐ長下部刑事とタッグを組み、さらに鴉の協力も…。三ツ輪が追っていた事件とこの宗教団体とのかかわり、閉鎖された中で口をつぐまざるをえない人々など見所は多い。鳥越の今後、そして弟との関係も気になる。2024/07/29
タイ子
98
シリーズ第三弾。カラスがお友達の捜査一課刑事・鳥越恭一郎。彼が今回捜査で赴くのはタイトルの如し、凶獣の村。獣は獣でもいろいろ、一番やっかいな獣がいた。この村にあった新興宗教の団体。今では創設者が亡くなっているも熱い信者たちが生き残っている。ゾッとするような宗教の教え。その地では以前から幼女失踪事件やら殺人事件が起こっていて、今回またもや元刑事が殺され刑事の孫が誘拐されるという事件が発生。鳥越と組む長下部がどんどん魅力的に見えてくるのがいい。おぞましき閉鎖的村とそこに住まう呪縛された人間。ラストにジワリ。2024/05/26
machi☺︎︎゛
91
シリーズものの3作目だと知らず読んだけど問題なく読めた。モデル並みのルックスを持った刑事,鳥越恭一郎は烏と意思疎通ができる。そんな鳥越が烏からヒントをもらいながら女児誘拐事件に挑む。事件の現場となった胎岳村は今までも事件が多く、謎の新興宗教「十雪会」の拠点でもあった。こんな訳ありすぎの村で訳ありすぎの村人たちに鳥越は勝てるのか。設定がすごく面白かったから他のシリーズも読んでみたい。2024/07/31
ma-bo
86
第3弾。鴉(カラス)と意思疎通が出来るという、超イケメンの捜査一課刑事:鳥越恭一郎シリーズ。引退した刑事が殺害され孫娘が誘拐された。事件の現場は過去にも未解決事件が起こった場所で、新興宗教の拠点がある村だった。鳥越は事件の真相を暴き、誘拐された少女を救う事が出来るのか…。村人の人間関係や名前のせいか、それぞれの関係性がわかりにくく感じて理解するのに苦労した部分は残念だった。2024/10/29