こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

個数:1
紙書籍版価格
¥2,420
  • 電子書籍
  • Reader

こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

  • ISBN:9784862761163

ファイル: /

内容説明

――「BBC」「CNN」「ニューヨークタイムズ」からは見えない「リアル」――
911、イラク戦争、そしてアラブの春……
オランダで「最も影響力のある国際ジャーナリスト40人」に選ばれた著者が
中東特派員の5年間で考えた、今を生きる人のための「メディアリテラシー」

オランダで話題騒然となったベストセラーがついに邦訳!

1998-2003年のあいだ、私は「報道特派員」として中東に滞在した。
スーダンの紛争、9・11テロとその後につづくイラク戦争、
長期独裁政権が続くエジプトやシリア、そして永遠に思われる泥沼状態のエルサレム。

世界中から注目を浴びる最前線にいながら、月日とともに
実感したのは「自分が真実を伝えていない」ということだった。
国際的な西欧のメディアはいつも同じ情報源から得たネタを流す。
特派員の私は本部が用意した原稿を読むためにカメラの前に立つ。
視聴者の「見たいもの=ステレオタイプ」にそぐわない記事は却下され、
そして反対意見を取材しようにも、独裁政権下では誰もが口を閉ざし、嘘をつく。

しかし、取材をうけることのない一般の人々は、いつも西欧のことを敵視していたり、
あるいは紛争や弾圧の恐怖におびえたりする人ばかりではない。
私たちと同じような楽しみや悩みを持ち、ジョークを言い合い、
多種多様な生活をおこない、そして誰にも語れない物語を持っている。
私たちが触れる情報は、いったいどこまでが真実なのか?
報道をするとは、その役割とは、どういうことなのか?
2012/1/19~1/21著者ヨリス・ライエンダイク氏が来日!私たちに求められる「メディアリテラシー」とは何かを語る!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yooou

9
☆☆☆☆★ スーダンにせよシャキィーラにせよ、イラクやシリア、エジプトの話もどれも非常に生々しい現実を描いている。しかし、もっと早く出てきてほしかった。2012/11/25

白隠禅師

5
すべてのメッセージはメディアによって報道された瞬間に歪められる。 あとがきにこう書かれているがまさにその通りだと感じる。自分の目で見たものだけを信じたいと思うが地球の裏側まで行ってみることはできない。 国が情報操作をしているとしたら、原発もなくなることはないのだろう。2012/12/30

ゆき

4
報道されることが必ず正しいとは限らない。それはわかっていて、では、自分で見たことのみを信じるのか?それでは、視野が狭すぎる。 全てのことは、一面だけでなく、いろんな見方、感じ方があり、常に”これが正しいのか、別の見方もあるのじゃないか。”と考え続けなくてはいけない。ただ、かなり辛いことだけれど。 民主主義に疲れると、人々はファシズムに惹かれるのだろうな。。。 2012/09/20

masahiro

4
広く読まれるべき本であろう。かわいた筆致で、著者の体験に沿って報道の矛盾を書き記している。報道の実態を把握するための、中東を素材とした豊富で良質な具体例である。報道論を大学などで学ぶ人は全人口に対してそう多くないだろうが、報道はほぼ全ての人を取り囲んでいる。メディアリテラシーを高める糸口となるであろう一冊。同時に、自らの仕事の違和感に対してその根源を真摯に分析していく人間としての在りようは、読み応えのあるノンフィクション作品でもある。2012/06/25

テツ

4
公平に発信しているつもりでも真に客観的に物事を伝えることなんて人間には不可能であり、どんなメディアによる情報でも、常に何かしらのバイアスがかかっていることを前提に受け止めるべき。情報操作なんてされているのが当たり前なのだから、受け止めて咀嚼し判断するような消化する力を現代人は身につけなければいけない。どんな正義でも、どんな正論でも、それが例え自分の芯に絡みつく大事な物でも、たまには疑い違う視点で眺めてみるといい。思考することに怠惰になっちゃいかん。2012/05/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4517042
  • ご注意事項

最近チェックした商品