内容説明
自らの婚儀に、血まみれの婚礼衣装で入場してきた王女アリシア。凛とした振る舞いで微笑んだ彼女は、夫となる美麗で冷酷な王太子・フェリクスに告げる。
「――初めまして。裏切り者の旦那さま」
国王だった父を殺されたアリシアは、叔父や義妹に何もかも奪われてきた。それでも『未来視』の力によって、花嫁道中で殺されかけたことすら武器にし、周囲を味方につけてゆく。何よりも隠すべき彼女の秘密を、夫のフェリクスにも隠し通しながら。彼を味方につけなければ、アリシアは殺される。フェリクスはアリシアに興味を示すが、肝心な所で敵か味方か分からないままで……?
「私が、あなたの共犯者になってあげる」
これは戦うお姫さまが、欲しい物を自分の力で勝ち取って、幸福を手に入れるお話。それから、キスしておいて協力者にはなってくれない、冷たくて美しい夫との恋愛譚。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
尚侍
5
とっても面白かった。ほぼタイトルであらすじを紹介している感じですが、主人公の欲しいものというのが「かなり大きなもの」なので、果たしてそこまで行きつくかという感じではありますが、初巻の段階である程度大枠が整ったこともあり、今後に期待できそうですね。正直ヒロインは主人公の持つ特殊能力の秘密に気がついている気がしますが、そこを突っ込んでしまうと物語に緊張感がなくなるので、そのあたりがどうなるかも気になるところです。この手の作品を書き慣れた作者なので安心して読めるのもうれしいですね。続きが楽しみです。2024/05/26