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内容説明
日本史上、最も神秘に満ちた「聖人」――聖徳太子。近代において「人間太子」も登場するが、それは無論ただの人間ではない。日本が「西洋化」する中、彼と西洋との がりが語られる。そして「オカルトブーム」では、前近代と異なる形で「超能力者」として新たな命を吹き込まれる。様々な姿の太子を描く人々は、何を求めてきたのか。太子の「謎」は、人間の「隠されたもの」への強い関心を き立てる。本書では「歴史」と「偽史」の曖昧な境界を歩みつつ、その真相を読み解く。
目次
まえがき/序 隠されたものへの視点──偽史から聖徳太子を考える/第一章 一神教に染まる聖徳太子/第一節 学術界における聖徳太子とキリスト教の「事始め」/第二節 秦氏はユダヤ教徒だった──佐伯好郎の業績によせて/第三節 フィクションへの展開──中里介山の聖徳太子観/第二章 乱立するマイ太子像/第一節 池田栄とキリスト教の日本伝来/第二節 聖徳太子と戦後日本のキリスト教/第三節 司馬太郎と景教/第三章 ユダヤ人論と怨霊説/第一節 手島郁郎と一神教的古神道/第二節 梅原猛と怨霊説の登場/第三節 怨霊meets景教──梅原猛『塔』について/第四章 オカルト太子の行方/第一節 漫画の中のオカルト太子──山岸凉子『日出処の天子』/第二節 予言者としての聖徳太子の再発見/結 隠された聖徳太子の開示/あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
60
滅茶苦茶面白い。聖徳太子の事績ではなく、明治以降聖徳太子がどのように語られてきたのかを主に偽史やオカルト方面から紐解いたものだが、キリスト教日本渡来説や日ユ同祖論、法隆寺鎮魂の寺説から『日出処の天子』、果てはノストラダムスの預言まで、現在までのオカルト総大鑑の様相を呈している。歌は世に連れというが、学説もまた世に連れているのがわかるし、偽史は権威をその背景としているというのは面白い指摘。個人的には印象に残っている司馬作品が取り上げられているのも嬉しい。偽史や古史古伝に興味を持つ人なら必読の一冊と言える。2024/05/28
ピンガペンギン
27
読んでよかった。副題にあるとおり聖徳太子、近い関係だった秦河勝などについての諸説を述べる。秦氏はユダヤ教徒だった、景教徒だった説は1908年頃にさかのぼれるという。後半は梅原猛論、山岸涼子「日出処の天子」論。ネストリウス派キリスト教徒は中国にいたことは定説だが、秦氏がそうだったというと珍説となる。P50佐伯好郎(1871-1965)は70代には廿日市長になった人物で、日本聖公会の牧師。1908年「太秦を論ず」発表し秦氏のユダヤ民族説を主張した。P116酒の席で、北海道開発にユダヤの大資本を導入する→2025/01/07
Toska
24
聖徳太子は看板で、偽史とオカルト史観が本丸。偽史の信奉者はしきりに反権威・反アカデミズムを標榜するが、その一方で権威による裏付けをも求めるというアンビバレンツな性格を持っている。だから、例えば梅原猛や古田武彦のようにアカデミズムの枠内でトンデモな主張を展開する人々は最もたちが悪い。これは偽史だけの問題にとどまらず、反ワクチン陰謀論などにも当てはまりそうな気がする。2025/03/21
佐倉
21
オカルト界隈では日ユ同祖論やキリスト教との関係の軸として、あるいは予言者として語られる聖徳太子。歴史学からは否定されるそれらだが、トンデモや偽史とされるものにも語られた時代・人の欲望が反映されているし、偽史と権威の相互的な関係において盛り上がることもある。人々は何を求めて聖徳太子を語ったのかを探る一冊。キリスト教普及、ユダヤ資本の引込み、脱亜論など目的が実利的な戦前の言説に対して、1970年代以降の司馬遼太郎、梅原猛、山岸凉子、五島勉らの言説では再呪術化が志向されているという視座は興味深かった。2024/06/13
ryohjin
17
聖徳太子について近代に書かれた偽史について論じています。戦前にはユダヤ人やキリスト教とのつながりを論じた説があらわれ、戦後には、梅原猛により聖徳太子の「怨霊説」が提示され、司馬遼太郎の小説や山岸涼子の漫画などに影響を与えています。さらにオカルト文化のなかでは、予言者としての聖徳太子が現れます。これらを実証されていないものとして斥けるのでなく、そうした説が現れた時代背景や相互の影響をたどりつつ論じた内容は興味深く読むことができました。聖徳太子がそれだけ神秘的な魅力のある人物だということなのでしょう。2024/11/15
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