ちくま新書<br> 経済学の思考軸 ――効率か公平かのジレンマ

個数:1
紙書籍版価格
¥990
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

ちくま新書
経済学の思考軸 ――効率か公平かのジレンマ

  • 著者名:小塩隆士【著者】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 筑摩書房(2024/05発売)
  • 3連休は読書を!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~2/23)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480076182

ファイル: /

内容説明

経済学は、資源や財源など与えられた制約の中でどうやりくりするかという問題に絶えず直面し、解決策をひねり出そうとします。「拡大する格差を何とかするには」「全世代型社会保障は可能なのか」「市場メカニズムのカギを握る情報というファクター」「人口減少下におけるトレードオフの大命題」……難題の数々に、経済学の“ものの考え方”を駆使して、効率と公平という2本の評価軸をもとに、その発想と思考を交通整理します。「経世済民」をとことん突き詰め、社会全体の「幸せ」について追究する一冊。

目次

はしがき/第1章 出発点はあくまでも個人/1 個人か社会か/〝葦の髄から天井を覗く〟経済学/経済学なんて、どうせ「市場原理主義」なんでしょ/個人間の幸せはどうやって比べるのか/経済学の危険な(?)「二分法」/評価がわかれるアベノミクス/関連する2つの奇妙な概念1──「パレート効率的」/関連する2つの奇妙な概念2──「補償原理」/「まず経済成長を」と考えてしまう経済学/2 経済学の発想でどこまで突っ走れるか/経済学が夫婦別姓に賛成する理由/社会保障を「リスク回避」から考える経済学/「社会連帯」という言葉は経済学の教科書に出てこない/制度を逆手にとった行動──年金とモラル・ハザード/働くと年金が削られる仕組みは正当化できるのか/個人の反応の仕方もポイントに/個人はどこまで合理的なのか/3 経済学で「幸せ」を語れるか/脇に置かれてきた「幸せ」/「幸せ」そのものに向き合う経済学/「幸せ」研究から浮かび上がるもの/「幸せ」の持つ不思議な特徴/気になる他人の「幸せ」/将来世代の「幸せ」を考えると……/この章のメッセージ/第2章 経済学の2本立て構造/1 効率性の観点からの問題提起/評判の悪い消費税/消費税率は生活必需品こそ高くせよ?/経済学から見たたばこ税/「ラムゼーの命題」から抜け落ちるもの/一律の消費税率ではダメなのか?/消費税による所得再分配には無理がある/再びたばこ税を考える/2 経済学は公平性をどう裏づけるのか/「リスク回避」から話を始める/「格差回避」を「リスク回避」に〝翻訳〟する経済学/格差回避の度合いを〝逆算〟する/格差回避とリスク回避とを区別する/格差そのものを回避する気持ち/個人によって異なる格差の受け止め方/3 せめぎ合う効率性と公平性/効率性と公平性の「二分法」/どちらの立場に立っても結果は同じ?/「二分法」の落とし穴/効率性と公平性のトレードオフ/トレードオフから抜け出す方法はあるのか/経済学の役目は議論の〝交通整理〟/分配は成長のテコになるか/ベーシックインカムという発想/必要な負担増の影響をどう考えるか/社会保障給付をベーシックインカムに置き換えるアイデアも/この章のメッセージ/第3章 教科書では教えない市場メカニズム/1 評判の悪い市場メカニズム/経済学はなぜ市場メカニズムを重視するのか/市場メカニズムの良いところ──消費者の立場から/市場メカニズムの良いところ──経済全体にとって/教科書が説明する市場の「失敗」/2 医療保険の強制加入──その奇妙な理由づけ/なぜ医療保険は強制加入なのか/「逆選択」という説明/逆選択は、実は生じないのではないか/リスクに合った複数の保険が成立する/強制加入が必要な真の理由──公平性の観点/残された2つの問題/3 あまりにも特殊な教育市場/教育に関する教科書的な説明/教育の「オプション・バリュー」/子供の能力を見極めていく教育/教育という情報収集装置に必要なコスト/公平性の観点から見た教育/おまけ──恋愛・結婚と情報の不確実性/4 情報収集をサボることのコスト/市場メカニズムのカギを握る情報/年齢というシグナルはどこまで有効か/成果主義を導入せよ、というけれど/どこで所得再分配を行うか/「全世代型社会保障」の考え方/年金の役割に関する2通りの説明/年金の支給開始年齢はなぜ存在するのか/情報収集をサボったことのツケ/それではどうすればよいのか/「セカンドプライス・オークション」という工夫/「ウソをつかないこと」と「本当のことを言うこと」/この章のメッセージ/第4章 経済学は将来を語れるか/1 現在と将来をつなぐ架け橋/議論の中に〝時間〟を入れてみる/人口が順調に拡大していると経済学の出番はない/人口が減少すると事態は一変する/黄金律が成立する条件/黄金律は自動的には成立しない/政府が乗り出す必要性/2 人口減少下における政府の介入/年金改革をめぐる伝統的な意見対立/意見対立を新たな切り口から整理すると……/誰もが同じ方向に向かっている/3 将来世代にどこまで思いを馳せられるか/現在世代と将来世代のトレードオフ/将来世代のことをどこまで考えるか/「国民貯蓄」という尺度/ポイントは将来世代に富を残せるか/図体の大きくなった経済は維持できるのか/減少する国全体の貯蓄/瀬戸際に近づきつつある国民純貯蓄/限定的な「シルバー民主主義」の説明力/「対立」ではなく「協調」している高齢層と現役層/4 人口減少にどう立ち向かうか/少子化の根本的な原因/子育て支援策に効果を期待できるか/社会保障の規模縮小は実現できるか/「現役層=支え手」「高齢層=支えられ手」という二分法は妥当か/経済学からの2つの政策提言/この章のメッセージ/おわりに/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

92
経済学の効率性と公平性を非常にわかりやすく実例などを引用して説明してくれています。実際に学問ばかりを行ってきた人とは異なることもあり、理論倒れということにもならずに知りたいと思うことがよく説明されているように感じました。特に医療保険の強制加入や教育市場の特殊さなどが目につきました。2024/07/02

1.3manen

39
E図書館より。重要箇所はゴシ太。経済学の出発点は、個人(012頁)。経済学は2本立て構造:効率性と公平性(020頁~)。両者は本来絡み合い、せめぎ合う性格。同時に議論すべき、と著者はくぎを刺す(098頁)。教育需要は、オプション・バリュー(選択価値)がどこまで大きいか、子供の能力に関する不確実性に依存する(146頁)。教育需要の自己冷却機能:教育は、受けさせ続けることで、能力に関する不確実性を下げ、効果がありそうな人だけが受け続ける(149頁)。私の授業は、効果がある人が増えないと切られてしまう。がんば。2024/07/29

おせきはん

27
効率性と公平性を軸に、経済学の考え方が様々な事象をもとに解説されています。格差や人口減少といった課題にどのように向き合っていくとよいのかを考えていくうえで、重要な視点の一つを知ることができました。2024/11/10

まゆまゆ

16
経済学は効率性と公平性の間でものを見て考えていることを解説していく内容。市場はあくまでも効率的な配分を実施するための手段であって、市場原理主義の考えを必ずしも取ってはいない。ベンサムとロールズの格差に関する考え方や時間軸の考え方など二極の考えから最適点を探ろうとする経済学的考え方を再認識。2024/07/08

たっきー

12
経済学の考え方について、特に効率性と公平性という観点から、医療保険、年金制度、少子化対策等の考え方を解説している。どの方向から考えても、人口減少している日本で明るい未来はあまりみえてこないなという気持ちに。2024/07/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21917143
  • ご注意事項

最近チェックした商品