山と溪谷社<br> ヤマケイ文庫 喜作新道 ある北アルプスの哀史

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山と溪谷社
ヤマケイ文庫 喜作新道 ある北アルプスの哀史

  • 著者名:山本茂実
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 山と溪谷社(2024/05発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635049962

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内容説明

北アルプスの定番縦走路である表銀座を拓いた小林喜作。
喜作は凄腕の猟師でありながら、殺生小屋を開き、更にはそこに登山者を送り込むためのルートを拓く優秀な事業家でもあった。

合理主義者でビジネスライクな姿勢に周囲からは「金にガメつい」と称された。
しかし、喜作は猟にでかけた山で雪崩によって遭難死してしまう。
優秀な山の人でありながら、雪崩に巻き込まれたことで事故でなく他殺なのではないかと噂された。

「あゝ野麦峠」で知られる山本茂実が綿密な取材を通して、北アルプスの歴史、小林喜作の死について迫る貴重な一冊。


■内容
欲の道・喜作新道(第一話)
牧の喜作(第二話)
工女と学生(第三話)
上高地の常さと牧の喜作(第四話)
槍ヶ岳に降りた天女(第五話)
北鎌尾根の英雄たち(第六話)
棒小屋沢の謎(第七話)
恐怖の野陣馬小屋(第八話)
無念の墓(第九話)
北の衆の縄張りにて(第十話)
追跡・もう一人の人(第十一話)
牧の悲歌(第十二話)
猟犬ペス東鎌に消ゆ(第十三話)
あとがき


■著者について
山本 茂実(やまもと・しげみ)
大正6年~平成10年(1917~1998)。
長野県松本市に農家の長男として生まれる。
農業に従事する傍ら、松本青年学校に通う。
その後、現役兵として近衛歩兵第3連隊に入営、軍隊生活・闘病生活など合わせ8年間を送り、傷痍軍人として終戦を迎える。
戦後上京して早稲田大学文学部哲学科に学ぶ。
昭和23年『生き抜く悩み 哲学随想録』を出版。昭和43年、『あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史』を発表、250万部のベストセラーとなった。
著書に『喜作新道』『高山祭』『塩の道・米の道』、人生論三部作として『生き抜く悩み』『愛と死の悩み』『嵐の中の人生論』などがある。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

roatsu

10
北ア縦走では誰しもが世話になる喜作新道をほぼ独力で開削するなど、北ア登山黎明期に同山域の主として活躍し不滅の名を残す伝説的山男・小林喜作の実像を「あゝ野麦峠」の名手、山本茂美が描き出す一冊。大正12年厳冬期、カモシカ猟中に黒部棒小屋沢の狩小屋で大雪崩により横死するが、その最期には長く語り継がれる謎が伴いその解明も本書のテーマの一つ。古い時代の本で、執筆当時は生前の彼を知る当事者も多くが存命であり、その生々しい回想や言葉の裏から伝わる古い信濃の農村共同体の暮らしぶり、家族や人間関係の実情など今はもう喪われた2024/05/28

Shu K

0
北アルプスの伝説的な猟師であり、喜作新道を作ったことでも有名な小林喜作の話。当時非常に画期的だった喜作新道を作った喜作には合理的で金にがめつい一面がある一方で、金に無頓着な自由人の常さこと内野常次郎を弟分として可愛がるエピソードがあり、喜作の知られざる人となりが分かる貴重な資料である。綿密な取材による幾多の証言も内容に厚みを与えている。2024/12/27

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