角川新書<br> イランの地下世界

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角川新書
イランの地下世界

  • 著者名:若宮總【著者】
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • KADOKAWA(2024/05発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784040824765

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内容説明

「本当に目から鱗が落ちまくり。このイラン観は唯一無二だ」高野秀行氏、熱烈推薦・解説
国民は脱法行為のプロばかり!?
強権体制下の庶民の生存戦略を、長年イランの一般社会で暮らしてきた著者が赤裸々に明かす!

イスラムへの無関心、棄教・改宗が進んでいる? 国民の関心はいかに国から逃げるか!?
イスラム体制による、独裁的な権威主義国家として知られるイラン。しかし、その実態に関する報道は、日本では極めて少ない。
イスラム共和国支持者=敬虔なムスリムといえるのか? 棄教者は本当にいないのか? 反体制派の国家ビジョンとは? 
違法・タブーとされる麻薬や酒に留まらず、イスラム体制下の欺瞞を暴きつつ、庶民のリアルな生存戦略と広大な地下世界を描く類書なき一冊。
■イスラム宣伝局の職員はイスラム・ヤクザだった
■イスラム法学者たちはアヘンの上客
■「隠れキリシタン」「神秘主義者」として生きる人々
■古代ペルシアを取り戻せ!――胎動する反イスラム主義
■美容整形ブームの裏には低い自己肯定感がある

小さな独裁者たちが「大きな独裁者」を生み出す
■親日感情に隠された本音「尊敬されたい!」
■メンツ(アーベルー)がすべて、「知らない」と言えない人々
■おしゃべりこそマナー、しゃべらないのは失礼
■おらが村こそイラン一! 強すぎる愛郷心
■イラン人は個人崇拝と訣別できるか

【目次】
はじめに
第一章 ベールというカラクリ
第二章 イスラム体制下で進む「イスラム疲れ」
第三章 終わりなきタブーとの闘い
第四章 イラン人の目から見る革命、世界、そして日本
第五章 イラン人の頭の中
第六章 イランは「独裁の無限ループ」から抜け出せるか
おわりに
解説 高野秀行

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

149
ソ連時代のロシア人が共産党に面従腹背していた話はいろいろ読んだが、イランでも状況は同じか。あれだけ派手に王制を倒してホメイニ師を歓迎しながら、半世紀近く続く厳格な政教一致体制にうんざりしている状況がよくわかる。長年イランに魅せられ、仕事や留学で長期滞在したという著者だからこその筆で読ませる。ただ猛烈に喋りまくり、本当は自分が独裁者になりたがり、極度にプライドが高く嫉妬深いイラン人の国民性も強烈だ。こんな人びとを統治する政府は、強権政治でなければ無理かもと思える。イスラム共和国の寿命も長くないと感じさせる。2024/09/07

ゆいまある

81
イラン在住者が書いてるイラン論。著者が高野秀行さん好きで解説も高野さん。高野ファンにはめちゃ面白い。著者のプロフィールも本名も秘密である。イランの現体制をここまで書いていいの?ってぐらい痛烈に批判している。特定されたら若宮さんの身の安全は保証されない。2022年の反政府デモ以降反イスラムの流れは止まらない。女性はスカーフを取り、ペルシア回帰の風潮が強まっている。そもそもイスラム革命前は石油パワーに乗って脱イスラム化が進んでいたし、イラン人は独立心旺盛で素直に政府の言いなりになる人々ではない。Audible2025/07/26

たま

67
著者が仮名のため、身元保証として付いている高野秀行さんの解説がきっかけで読んだ。面白かった。仮名でも、著者の知識や見聞の範囲は一読すれば納得できる。イラン社会の見栄っ張りや嫉妬深さの記述はトルコに近いと感じたが、イスラム独裁に起因するイラン人のイスラム批判はほかのイスラム教国にはないもので、私自身見聞きして驚いた経験がある。日本の中東研究者の中には反米連帯感情からかイスラム専横に無批判な傾向があると思うが、若宮さんのこの本はそういう図式に乗らない、率直で貴重な見聞録だと思う。2024/11/06

こばまり

47
ニュース映像などで構築された朧げで画一的なイメージが一新され面白いのなんの。歴史的社会的背景と課題、人柄気質等、研究者でなくイランで暮らすイラン好きな人からの発信というスタンスがよい。知らないことを知ることの楽しさよ。これぞ新書の真骨頂と興奮した。2024/12/13

seacalf

41
ニュースを賑わせているが市井の暮らしについては圧倒的に情報量が少ない国、イラン。軽妙な語り口で堅苦しさなく読める。友人・知人達の目を丸くするような具体例が満載。政教一致の歪みを内部目線で学べる。ベール着用義務は1980年というからその歴史の浅さは意外。ムチ打ち刑はイラン含めまだ現存するのも初めて知った。反米デモは政府の肝入りで無料バスで駆り出されて報酬も出てるというのは驚き。誰彼構わず親切にする優しさ、自信家など懐に入ったからこそわかるイラン人気質やイラン社会について実に面白くわかりやすく語られている。2025/07/11

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