内容説明
名古屋で探偵業を営む草莱の元に舞い込んだ行方不明者の捜索依頼。関東大震災の混乱の中、数少ない手掛かりを頼りに調査を進めるが、関係者は次々と不審な死を遂げていき……。乱歩賞の著者による13年ぶりの新作ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
145
神山 裕右、江戸川乱歩賞受賞作に続いて、2作目です。二段組、ルビ過多で読みづらい感じでした。大正・昭和初期のハードボイルドミステリ、13年間書かなかったというよりも、13年間書けなかったんだと思います。 https://publications.asahi.com/product/24800.html2024/07/17
えみ
50
最後の最後、過去に何があったか知るまで、そこから今何が起こっているか見るまで、探偵である彼のこの調査は完結しない。動くことも大事だが、考えることで展開されていく事件。それぞれが何か重い真実を胸の内に隠し持っているため真実が公にされそうでされないというギリギリの攻防が面白かった。そもそも解決したいのか、したくないのか、それさえも分からない雰囲気が終始漂っている。正直「忖度」という言葉が似合う調査だと思う。何より大正時代が舞台となっているため「外国人」となる依頼人の娘・ベルリナァの存在が強い刺激となっている!2024/06/02
ヒデミン@もも
33
神山裕右さん、初読みなんだけど、開けてびっくりの2段組。なので、途中で離脱。またの機会に。2025/02/01
rosetta
33
★★✮☆☆一言で言うなら、大いなる退屈!2004年に24歳で乱歩賞最年少デビューした作者が20年間で四冊目の上梓とはどんだけ寡作なんだよ🤣人物が全く描けていなくて、物語にも山場も光輝もなくて、文体もわざとかもしれないけど熟れてなくてどこにもいい所が見つからない。強いて言うならば関東大震災から二年目の大正の雰囲気を少しは味わえるところと軍艦島が現役の炭鉱だった頃を舞台にしたところか?あまりに紆余曲折が多くて読んでいるうちに探偵が調査を始めた最初のきっかけさえ忘れてしまった。それでも最後まで読んだの偉い?笑2024/06/03
みいやん
11
この作者の作品は3冊目になるが、正直言っておもしろかったのか、よく判らない。舞台は大正14年で主人公は日露戦争のトラウマに苦しむ探偵。設定は良いのだが、外来語が漢字表記なのをはじめ、慣れるまでとにかく読みにくかった。当時の風俗については注釈が欲しかった。2024/06/01