新潮文庫<br> カフカ断片集―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―(新潮文庫)

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新潮文庫
カフカ断片集―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―(新潮文庫)

  • ISBN:9784102071076

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内容説明

カフカは完成した作品の他に、手記やノート等に多くの断片を残した。その短く、未完成な小説のかけらは人々を魅了し、断片こそがカフカだという評価もあるほど。そこに記されたなぜか笑える絶望的な感情、卓越した語彙力で発せられるネガティブな嘆き、不条理で不可解な物語、そして息をのむほど美しい言葉。誰よりも悲観的で人間らしく生きたカフカが贈る極上の言葉たち。完全新訳で登場。(解説・頭木弘樹)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

66
カフカが残した作品以外の断片でした。小説のようなかけらたちは私を魅了しました。断片にカフカらしさが感じられるからです、不条理で不可解で美しい世界観。弱くて繊細だからこそのものなのですね、極上の断片を贈られたような気分です。2024/06/17

Porco

20
カフカ・フラグメンツ。短いもので一文長いものでも4ページくらいの断片だがその切れ味はとても鋭い。最序盤の【失敗することさえできない】「あらゆることに、わたしは失敗する。いや、失敗することさえできない」で、凄いジャブを喰らったが、【隣人までの距離】「すぐとなりにいる人までの道のりが、私にとっては、とても長い」は人間関係の近くて通い距離をここまで綺麗かつ的確に書いたものはないだろうと考えたくらいに良かった。この2つの断片に出会えただけでも買ってよかったと思える。2024/06/24

プロメテ

20
作者の書き綴った断片が数行から2,3ページに亘って納められている。私にはこの本の試みは成功していると思われる。このような断片からもカフカのありようが深く伝わってくる。いやむしろ氏の雰囲気や作家性などはこのような作品の方が掴みやすいのかもしれない。深い透徹な瞑想のような言葉たち。詩的ですらあり、洞察を記した哲学的な言葉もある。私はこれらの言葉にローベルト・ヴァルザーの詩境や尾崎放哉の自由律俳句の型のようなものを感じた。概して絶望的な救いといっていいが、全面的になんらかの開け放たれたスッキリとした感慨がある。2024/06/23

LUNE MER

18
熱でうなされた時に見る夢のような脈絡のない不可解な情景が次々と入れ替わり立ち替わり流れていくような断片集。「よく分からない」というカフカらしさは益々冴え渡っているのだが、ほとんどが1ページ未満の短い断片で構成されているので、「うん、分からん、よし次の分からんに行ってみよう」というテンポの良さでどんどん読み進むので、長編や短編集よりも読みやすいと思う。意味が特定出来ない不可解さ故、逆に自分が当てはまってしまうような読み手ごとの様々な解釈も可能であり、それがカフカの魅力なんだ多分。2024/06/25

ねこねこ

18
読み終わってからどこのページを開いてもおもしろくて、カフカらしさでいっぱいの一冊。カフカを読んだことがない人にも、そもそも読書をしない人にも、みんなにおすすめしたい、ぱっと開いたページを読んでみてほしい。カフカはすこしふしぎでおもしろいけど、それだけではなくて、ふしぎの底にある視点のやさしさ、よわさ故のやさしさが、唯一無二だなあと思う。「本とは、ぼくらの内の氷結した海を砕く斧でなければならない」――これはカフカの言葉のなかで私が特に大好きなものの一つなんだけど、なぜか読むたびに目に涙が滲んでしまう。2024/06/01

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