内容説明
その眼で患者と病を見つめてきた医師にしか描けないことがある。新米研修医が気づいた真実。引きこもり患者を救うひと癖ある精神科医。無差別殺人犯への緊急手術。友の脳腫瘍に握る電気メス。深夜の出産に奔走する医療チーム――。彼らは考える。決断する。オペを行う。あなたの命を守るために。9名の医師作家が、知識と経験をもとに臨場感あふれる筆致で描く、空前の医学エンターテインメント集。(解説・吉田大助)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiace9000
135
多くの職種に言えることだが、「医療」にもまたおそらく正解はあるまい。異なる視点で描かれた9短編それぞれの作品どれもが秀逸! 独自の専門領域で、まさに現役医師として最前線で戦っているがゆえに見える世界、現場では言葉として表出し得ないものの、小説ゆえに紡ぎ出せる言葉の深みや重み、そして痛みが読み手に鮮やかな解像度をもって迫る。医療ドラマはTVでも各クール一つは放映される人気ジャンル。知られざる世界を垣間見る面白さ以上に、特殊技能をもち命や生死と向き合う医師の中にある普遍の人間性に、人は何かを感じ取るのだろう。2024/11/10
machi☺︎︎゛
94
お医者さんばかりのアンソロジー。当たり前な感想だけどお医者さんはすごい。体を治すのはもちろん、心のケアや家族のケアなど本当に休む暇ないのじゃないのかなって心配になるほど。お医者さんだからこその現場の緊張感が伝わってきてドキドキした。中には立場を利用した悪いやつもいて真面目にやってる人が馬鹿みたいじゃんと腹も立ったけどそれも含めてリアルっぽくて面白かった。2024/08/31
ナミのママ
79
午島志季、朝比奈秋、春日武彦、中山祐次郎、佐竹アキノリ、久坂部羊、遠野九重、南杏子、藤ノ木優(敬称略)9名の医師作家によるアンソロジー。半数は作家名を知らず、作品既読は2名。涙腺刺激作品は苦手なので斜め読みしようかと思ったら理系・医療メインの作品があり楽しめた。外科領域の手術シーンは生々しく緊迫感があり良かった。藤ノ木さんの『峠を超えてきた命』は産婦人科医師の作品で一番好み。これは既刊刊行本の中の一編とのことなので読んでみたい。2024/06/11
drago @高校野球観戦中。
70
9人の現役医師兼作家のぜいたくな競作。オススメです。 ◆新人研修医の活躍、医療ミスをごまかすことで魚臭くなる老医師、引きこもりに対峙する精神科医、コロナに立ち向かう新人内科医、無差別殺人犯を救うべきか戸惑う外科医、認知症で食事も排泄も入浴も介助が必要な家族にどう立ち向かうか…。 ◆ハズレが無く、どれも面白いが、その中でも藤ノ木優氏の『峠を越えてきた命』がマイベスト。2時間の移動の間、切迫早産から我が子を守る母親と、周産期専門病院で新生児を懸命に救おうとする医師たち。短編なのに泣けるほどの緊張感。 ☆☆☆☆2024/09/28
itica
66
医師作家9人の競演による医療小説。みんな違ってみんないい、って感じかな。3編が既読だったのは残念だったが、手術や治療描写は迫力があって再読でも面白かった。保健所相談医師の精神科医を描いた「パイナップルがある光景」が異色で目を引くし、小さな命を守ろうとする医師たちの団結「峠を越えた命」に感動した。医療もの好きとしては新たな作家さんを開拓できたのが嬉しい。 2025/04/28
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