内容説明
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の大人の続編本!
「自分が生きやすい」社会に必要なのものとは?
感情的な共感の「シンパシー」ではなく、
意見の異なる相手を理解する知的能力の「エンパシー」。
この概念を心理学、社会学、哲学など様々な学術的分野の研究から繙く。
うまく活用するために、自治・自立し相互扶助のアナキズムを提唱。
新しい思想の地平に立つ刺激的な一冊。
他者はあまりに遠い。“共感”だけではたどり着けない。
ジャンプするために、全力で「考える」知的興奮の書!
――東畑開人
※この電子書籍は2021年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
40
アナーキズムもエンパシーも、表層的な意味でしか捉えていなかったことに冷や汗。しかも最も遠い概念と思いきや。大学のテキストもエンパシーの解説は数行に過ぎなかったと記憶。氏の著作を読むと、日々ぼさっと生きていることを猛省するのだが本作も然り。再読必須。2024/06/06
piro
37
エンパシーと言う言葉をめぐる一冊。シンパシーとは異なるが、適切な訳語がなくどちらも「共感」と訳されてしまう上、エンパシー自体にも様々な定義・概念がある様でちょっとわかりづらい。でも何となく感覚的にはわかったかな。シンパシーは感情、エンパシーは能力。「他者を理解する能力」と言った所でしょうか。話が発散していてわかりづらかったのですが、興味深い件も多々。エンパシーとシンパシーを共に高めれば世の中は平和になるんじゃないかな。エンパシーとは無縁な横暴な大統領が世界を荒らしている今、ふとそんな事を思いました。2025/06/13
阿部義彦
24
文春文庫新刊。ブレディさんの『僕はイエローで~』は単行本で直ぐに読みました。なんか一時時代の寵児扱いでメディアにもよく出てましたよね。そんなみかこさんの続編本でしたが、結構思想家の名前とその理論の紹介が多く、前作が売れたからと言って大衆に阿らない態度に好感を持ちました。私にとっても、読むのに時間がかかりました。エンパシーとアナキズムの話が一番得るところがありました。「エンパシーは我々が一つではなく、複数の世界に住むことを可能にしてくれる」アナキストの金子文子が、投身自殺をしようとしたエピソードが素晴らしい2024/05/22
R子
22
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で取り上げられた「エンパシー」という言葉を掘り下げている。日本語だと「共感」と訳されることが多いが、もっと広い意味を持っているのだそう。本作ではエンパシーを能力と感情に分け、その良い/悪い面を挙げている。個人的には第10章の内容に衝撃を受けた。共感能力に長けている人は相手の鏡となって自身を明け渡し、影響力のある相手であればその分染まり、自身を喪失してしまう傾向にあるのだそう。他者の靴を履くことも大切だが、脱いで自分の靴に履きなおせることも大切な力なのだ。2025/05/31
山ろく
17
「他者の靴を履く」とは「その人になったつもりで想像力を働かせてみること」。自分は自分、でもそのうえで賛同できない敵が相手でも何を考えているかを想像・理解しようとする。これは「相手の痛みを自分の痛みとして感じる」のとは違って知的にも負担がかかる。自己が弱いと「強い」相手(カリスマ政治家や毒親、DV加害者など)にエンパシーは搾取され、自己が乗っ取られかねない。さらに国家への同調圧力の源ともなりうる。ということから副題の「アナキック」が効いてくる。なるほど、アナキズムと民主主義、そして教育との関係はそうなるのか2024/12/14
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