中公新書<br> 忘れられた哲学者 土田杏村と文化への問い

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中公新書
忘れられた哲学者 土田杏村と文化への問い

  • 著者名:清水真木【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 中央公論新社(2024/04発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121022226

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内容説明

西田幾多郎門下の哲学者、近代の可能性を追求した文明批評家、日本画家・土田麦僊の弟、自由大学運動の主導者……、土田杏村(一八九一~一九三四)。「文化とは何か」を問い、大正から昭和初期にかけて旺盛な著作活動を展開したにもかかわらず、戦後、人々の記憶から消えた。この〈忘れられた哲学者〉に光を当て、現象学と華厳思想に定位する「象徴主義」の哲学を読み解き、独自の「文化主義」の意義を問いなおす。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

軍縮地球市民shinshin

10
著者は清水幾太郎の孫で哲学者で専攻はニーチェらしい。母親が清水幾太郎の娘で、彼女も哲学者であったという。本書で取り上げた土田杏村は、大正~昭和初期にかけて活躍した西田幾多郎門下の哲学者。学者というよりはジャーナリズムで活躍した評論家といった性格が強いらしい。和辻哲郎の反対によって文学博士号が京大から貰えなかったという。通読した感想は杏村を現代に取り上げる必然性は何なのかの説明が欠けている気がした。再評価するのならば、それなりの理由がなければならないですね。ちなみに本書は評伝ではないので読みやすくはないです2016/08/07

4
◯著者は清水幾太郎の孫でニーチェ研究者。土田を理性の外部にあるものの権利回復の系譜と位置づけて、「象徴主義」としての「文化主義」から「地位」のプラグマティズムに到達したとする。肝心の文化主義の部分が理解不能。文化は社会的なもので、共同社会理想の実現のための努力されてこそ価値を持つ的な?現代的意義もよくわからん。私にとっての最大の収穫は、ヴィーコ=南方熊楠=ライプニッツ=土田杏村=早田文蔵というように、ヴィーコを読んでから興味があった象徴主義のインドラの網を広げられたこと。2024/05/24

sk

4
一時期広く読まれたが今ではほとんど顧みられない土田杏村について書かれた本。彼のいた時代状況や、彼の中心となる思想、また文化哲学について書かれている。なかなか面白かった。2017/05/05

ポン・ザ・フラグメント

4
いま再評価されるだけのアクチュアリティが土田杏村という哲学者にあるか疑問だが、同時代に見えなかったものを未来の視点で引き出す著者の試みは面白く読めた。各「文化価値」がなぜ因陀羅網/ホログラムのようになるのか、それは何で証明されるのかはわからなかったけれども、「文化価値」をツリー状に階層化せず並立させるのは確かに1920年代を超えた思想に見える。ただ、著者が本当に杏村の再評価を望むなら、読みにくい国会図書館のデジタルライブラリーで満足せず、青空文庫で読めるように動くとかしたほうがいいのではないかなあ。2015/08/23

本命@ふまにたす

3
近代日本の哲学者、土田杏村についての新書。どのような文脈で読まれたのかということをかなり重視しつつ解説。2023/10/16

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