韓国映画から見る、激動の韓国近現代史 - 歴史のダイナミズム、その光と影

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韓国映画から見る、激動の韓国近現代史 - 歴史のダイナミズム、その光と影

  • 著者名:崔盛旭【著】
  • 価格 ¥2,310(本体¥2,100)
  • 書肆侃侃房(2024/04発売)
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  • ISBN:9784863856240

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内容説明

近年ますます存在感を高めている「韓国映画」を題材に、そこから透けて見える歴史や社会問題を解説。韓国という国のダイナミズムをより深く、より立体的に理解するための一冊である。

植民地支配、南北分断と朝鮮戦争、長きにわたる軍事独裁、そして国民の手で勝ち取った民主化……。「3・1独立運動」「済州島4・3事件」「光州事件」「6月抗争」など激動そのものだった韓国の近現代史とそのなかで形作られてきた「儒教的家父長社会」。近年ますます存在感を高めている「韓国映画」を題材に、そこから透けて見える歴史や社会問題を解説。韓国という国のダイナミズムをより深く、より立体的に理解するための一冊である。

『パラサイト 半地下の家族』『タクシー運転手~約束は海を越えて~』『KCIA 南山の部長たち』『1987、ある闘いの真実』『ベイビー・ブローカー』『ミナリ』『はちどり』『息もできない』『キングメーカー 大統領を作った男』『高地戦』『金子文子と朴烈』『グエムル-漢江の怪物-』『焼肉ドラゴン』『私の少女』……韓国映画44本から激動の歴史を読み解く。

【著者】
崔盛旭
1969年韓国生まれ。映画研究者。明治学院大学大学院で芸術学(映画専攻)博士号取得。明治学院大学、東京工業大学、名古屋大学、武蔵大学、フェリス女学院大学で非常勤講師として、韓国を含む東アジア映画、韓国近現代史、韓国語などを教えている。著書に『今井正 戦時と戦後のあいだ』(クレイン)、共著に『韓国映画で学ぶ韓国社会と歴史』(キネマ旬報社)、『日本映画は生きている 第4巻 スクリーンのなかの他者』(岩波書店)、『韓国女性映画 わたしたちの物語』(河出書房新社)など。

目次

はじめに
凡例
第1章 韓国と日本・アメリカ・北朝鮮
韓国と日本
韓国とアメリカ・北朝鮮
コリアン・ディアスポラ
コラム監督論①チャン・リュル あらゆる境界を越えて東アジアを周遊する
第2章 軍事独裁から見る韓国現代史
朴正煕政権
全斗煥政権
コラム監督論②イ・チャンドン 作品に見る光州事件と1980年代韓国現代史
第3章 韓国を分断するものたち
格差
儒教的男性社会
マイノリティ
コラム監督論③女性監督の系譜 映画『オマージュ』が復元する女性(映画)史
第4章 韓国の〝今〟を考える
政治とメディア
社会問題
コラム監督論④キム・ギヨン 〝怪物〟監督の全盛期に見る韓国社会の深層
おわりに
韓国近現代史年表
韓国歴代大統領詳細
索引 i
初出一覧 ii
主な参考文献・検索サイト v

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おたま

46
韓国の歴史はまさに激動である。日本による植民地支配から、セウォル号事件、朴槿恵政権弾劾まで、歴史を画するその時々に、またその時々のことを題材とした映画が作られてきた。その多彩な映画を通して見えてくる韓国の歴史を、映画の内容とも絡ませて振り返っていく。韓国の歴史の細部を描き出すとともに、それぞれの映画のディテールに込められた意味も読み取れる映画紹介ともなっている。『高地戦』『タクシー運転手』『パラサイト』等、これまでに観た映画もあるが、初めて知る映画も多い。そうしたものをこれから観ていきたいと思う。2024/11/20

二人娘の父

12
紹介44作のうち33作を観ていた自分に驚いた。ガイドとして十分楽しめるが、本書の主眼は映画を通じた「韓国近現代史」の学びにある。隣国かつ元植民地支配国としての歴史を持つ日本において、なぜこれだけ韓国映画が注目されるのか。よく言われることだが、それは韓国社会と歴史を通じて日本の近現代史を見つめることができるからだ。さらに言えば日本映画において、この視点が明らかに、決定的に欠落し、または歪曲されているからでもある。そうしたある種の悲しみと悔恨を感じつつ、残る11作品の観了を決意する。2024/08/17

ichigomonogatari

10
韓国映画では、その激動の歴史故に歴史や現実の出来事がよく取り上げられているそうだ。著者は43の映画をとりあげ、映画の概要とそこに出てくる事件や社会背景を詳しく説明する。この本を読むことで日本の植民地支配からアジア・太平洋戦争をへて、独立後も南北に分断し朝鮮戦争に蹂躙されるなどまさに激動の韓国近現代史が次々と見えてくる。家父長制樹今日社会の問題も深刻だ。映画というエンタメを通して韓国のことをとっつきやすく知ることができる、とても面白い本だった。エンメと歴史がここまで深く結びついているとは知らなかった。2024/09/28

クァベギ

8
すでに観た作品については私の見落としていた点を深掘りしてくれ、まだ観ていないものについては、その魅力を教えてくれる。韓国と日本の近現代史を説明しながらの作品解説なので、重厚な作品が多く取り上げられているが、明るい作品で私の大好きな『サムジンカンパニー1995』が紹介されているのが嬉しかった。さらに一言。韓国社会の現実と映画との間に働く力学が具体例とともに記されている。読んで感じ入った。2024/08/26

大泉宗一郎

7
『パラサイト』『タクシー運転手』など、数々の韓国映画が包括する時代背景を解きほぐし、エンタメ作品の楽しみ方に深みを与えてくれる一冊。日本の植民地時代から朝鮮戦争、軍事政権から民主化を経て、まさに激動の時代を歩む隣国。その横顔を捉え続けてきた傑作映画の当時の背景や文化を知ることで演出の真意だけでなく、その作品の持つ意義を知ることで、大好きな作品がさらに彩りを帯び、魅力を放つ感覚を読みながら覚えていった(特に『グエムル』の解説は膝を打った)。自分のように韓国映画から韓国史を学びたいと思った人は絶対必読の一冊。2025/01/30

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