内容説明
いつかの記憶の扉が開く。
東京、大阪、上高地。3つの帝国ホテルを舞台に織りなす42の物語。
クロークに預けたままの、亡父の荷物。夫の秘密がそこに――。
開いた鍵の先に、妻が見たものは(「秘密を解く鍵」)
半年に一度しか会えない小学校6年生の娘。
ブフェに行くが、娘はなかなかマスクを外さない(「父と娘の小旅行」)
窓から射しこむ朝の光、錆びた流し台にしたたる水滴の音――
ホテルで眠る夜、どこかで出会った部屋たちの夢を見る(表題作)
1行でこころ揺さぶられる、珠玉の小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
547
結婚、離婚、子の巣立ち、失恋、人生の節目にはいつも帝国ホテルがあった…的な掌編小説集。訪問したことのない大阪を除いて、どれもエントランスの印象や立地周辺の様子がよくわかっているので楽しめた。五つ星ホテルに泊まるのを趣味にしていた独身時代を懐かしく思い出したり。今なら五つ星よりも大浴場やサウナのあるビジホを優先するが。どれも東京・上高地・大阪の帝国ホテルが舞台。それぞれいい話ではあるのだが、少しばかり似たような話が続いて息切れしそうになった。寝る前に一遍ずつ、が正解かもしれぬ。大阪も行ってみたいな。2025/02/17
starbro
237
角田 光代は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、帝国ホテル発行の会報誌「IMPERIAL」で11年間連載された42編のショートショート集でした。都会的でお洒落な感じです。私は、 日比谷の帝国ホテル本館が勤務地に近く、仕事の関係もあり、バンケット、レストラン、バー、カフェをたまに利用しますが、まだ宿泊したことはありません。金額を気にせず、帝国ホテルを日常使い出来る人が、お金持ちなんでしょうね。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639187472024/08/25
fwhd8325
140
帝国ホテルを舞台にした掌編。やや物足りなさも感じますが、読み進めていくうちに、これはスナップ写真のようだと思いました。今は写したその場でどんな表情をしていたかわかりますが、昔は、現像されてくるまでのワクワクした気持ち。時が経ちふと見つけた写真から記憶が鮮やかに甦ってくる経験など、この短い物語からその奥にある心の動きを感じました。2024/10/14
ウッディ
113
東京、大阪、上高地にある帝国ホテルを舞台にした42編ものショートストーリー。プロポーズを受けた日に、レストランで一人食事する少女との出会いを描いたファンタジー、音大受験で上京した少女にピアノの練習をする場所を提供した父の再開が印象に残った。贅沢なホテル故の心あるサービスと心に刻まれる美しい思い出。ゴージャスなホテルは沢山あれど、何代もの家族に受け継がれる憧れと特別感は、伝統ある帝国ホテルならではかもしれない。妻へのサプライズか、親孝行か、いつか自分も帝国ホテルに泊まって、43編目の物語を紡ぎたい。2025/01/24
まちゃ
105
東京、大阪、上高地、三つの帝国ホテルを舞台にした42編のショートショート。特に上高地に惹かれました。癒されに行きたい。帝国ホテルの会報誌「IMPERIAL」に11年間にわたり連載されたショートショートの単行本化。2024/11/01
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