内容説明
インド最北部ヒマラヤの西のはずれにあるラダック。そこには決して怒らない人々が暮らしている――。その言葉に誘われるようにラダックを旅した著者の贖罪と再生を描いた私小説的旅紀行。ラダックの街の道端で見つけた凍りついた犬の屍体。徐々に明らかになっていく旅の理由。ラダックの荘厳な自然と現地の人々のおおらかさに包まれながら過去から解放されていく著者の姿が描かれる。2020年度「わたしの旅ブックス新人賞」受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pohcho
53
インド北部の山岳地帯、ヒマラヤの西のはずれにあるリアルチベット、ラダックへの旅行記。夏は田舎の村でホームステイして、旅と言うより暮らしているよう。知人の家で酒盛りする様子が高野(秀行)さんみたいで楽しそう。冬はうって変わって過酷。重いザックを背負い、チャダル(氷の道)で何度も転びながら歩いて旅をする。現地にソーラークッカーを届けるという目的があるのだが、著者にとっては過去への贖罪の旅でもあり、ラダックの厳しい自然と人々の大らかさに包まれて。心が解放されていく様子がとても感動的だった。2021/10/13
駒場
6
標高3000-5000m級の山岳地帯にあるインドのラダック、そこは純粋なチベット仏教の残り香があり、「怒らない人々」がいる地域……という骨格は面白いが、悪い意味でおじさんエッセイ(人の容姿への無遠慮な言及、日本の芸能人?に喩えまくるなど)があって途中から流し読みになった。本人も言及しているが「旅の始まりはいつだって好奇心だが、その好奇心が何に反応するかは人それぞれ」というように、この人の好奇心と私の好奇心はほぼ交わらなかったな……という読書体験だった2025/08/31
はやたろう
6
北インドのリアルチベットと称されるラダック地方にソーラークッカーを届けることを目指した旅行記。過酷な環境の中に暮らす人々の優しさ、逞しさを感じ、自分も行ってみたくなりました。2021/11/07
DEE
5
北インドのラダックを夏と冬にそれぞれ旅をした記録。インドはデカい国。当たり前だが、まだまだ知られていない地方がある。凍った川を道がわりに進む冬の徒歩旅は寒く過酷だけど、そこはきっと空の青と雪の白しかない世界なんだろう。2024/11/29
kogufuji
4
旅というのはごく個人的なもので、旅へ向かう動機も旅における感慨もその人を色濃く反映する。お互い一緒に暮らしている、だから話し合いで解決を探る。心を乱さずに怒らない。苦しみを喜びに変える。そうすることで自分と他の誰かに幸せを運べる。この旅の記録に学ばせてもらった。2021/10/26
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