内容説明
ダザイが、女性に向けて書いた作品たち―「誰も知らぬ」「恥」といった女性語りの作品や、心中事件をモチーフにした「雌に就いて」など、『若草』『婦人画報』といった女性雑誌に掲載された19作品を掲載。
著者等紹介
太宰治[ダザイオサム]
1909年6月、青森県生れ。学生時代から小説の創作を始める。東大仏文科入学を機に上京。在学中に非合法運動に従事するもやがて転向し、以降、本格的な執筆活動を開始する。1935年に「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。1939年に結婚し、「富嶽百景」や「女生徒」、「走れメロス」などを発表。戦後には『斜陽』がベストセラーとなり、流行作家となる。「人間失格」を発表した1948年の6月に、玉川上水で入水自殺。織田作之助、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれた
井原あや[イハラアヤ]
大妻女子大学ほか非常勤講師。専門は日本近代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
57
面白かったです。婦人向けの雑誌に書いた作品を集めているので、興味深く読めました。女流作家かと錯覚するくらい女性らしく感じます。女性が主人公であったり、女性独白体で描いたりした数々の作品は女性より文壇に認められたというのも肯けます。2020/08/29
b☆h
42
『金曜日の本屋さん』に出ていて気になっていた作品。表題作を含む、女性雑誌に掲載された作品がまとめられたものとのこと。汲み取れないものもあったけど、面白く読めたものもいくつかあった。『葉桜と魔笛』では姉妹愛にほろりときて『ろまん燈籠』の家族の関係が面白く、一番好きだった。『雪の夜の話』も掛け合いの面白さや、嫂を思いやる気持ちが良かった。ただ、自分の知識の少なさを改めて感じた作品でもあった。2023/01/18
さんだる
1
ある番組で亀田誠治が、好きだと言ってた『令嬢アユ』が読みたくて、借りました。「令嬢アユ』は最後がわかりづらくて。結局何をしてる人なんだろう。 『恥』は、読んでいてあまりに恥ずかしくて、穴掘ってブラジルまで行っちゃいたいくらいだったし、『誰も知らぬ』は、まあ確かに言わなくて良いかもと思わせられた。どの話も短くて、あっという間に終わってしまった。そして今は、「ろまん燈篭」を読み途中。。w 全部を読んだわけではないけど、とりあえず、感想を入力してみた。2024/06/23
Mie
1
おしゃれな装丁〜〜! 太宰の作品のうち、女性が語り手のものや登場するものを集めた本。昔の仮名遣いで、読むのは普通の本より時間はかかるし、正直何言ってるの?となるところもあるけど、それもまた一興。2022/06/08
Panda
0
全部良かったのですが、特に「ろまん燈籠」「乞食学生」。太宰は文章が上手いな~とつくづく思った。2024/06/08