残らなかったものを想起する - 「あの日」の災害アーカイブ論

個数:1
紙書籍版価格
¥2,420
  • 電子書籍

残らなかったものを想起する - 「あの日」の災害アーカイブ論

  • 著者名:高森順子【編著】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 堀之内出版(2024/04発売)
  • ポイント 22pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784909237927

ファイル: /

内容説明

【災害のあった「あの日」を、あなたはどう伝えますか?】

能登半島地震、東日本大震災、阪神・淡路大震災、御嶽山噴火……

巨大災害が頻発するこの国では、防災、減災、命の大切さといった「残すべき目的」を掲げた「アーカイブ」が作られ続けています。

しかし、そこで残すべきとされるものは、ほんのひと握りでしかありません。
私たちはもっと豊かなものを、もっと多様な手法で、留めたり、取り戻したりすることができるのではないでしょうか。
本書では、現場の偶然性をとりこみながら「残らなかったもの」への想起の回路を開こうとするユニークな15のメディア実践を紹介。

あなたにとっての「災害」、そして「アーカイブ」のイメージを大きく変える実践がここにあります。

語り
復元模型
被災写真
報道写真
育児日記
絵画
手記集
朗読
展覧会
記念式典
災害遺構
文化施設
映像
美術館
演劇 etc……

高森順子/矢守克也/杉山高志/磯村和樹/槻橋 修/溝口佑爾/松本 篤/林田 新/武居利史/佐藤李青/竹久 侑/福田 雄/林 勲男/門林岳史/青山太郎/山内宏泰/富田大介

【著者】
高森順子
1984年、兵庫県神戸市生まれ。情報科学芸術大学院大学産業文化研究センター研究員。大阪大学大学院人間科学研究科単位修得満期退学。博士(人間科学)。グループ・ダイナミックスの視点から、災害体験の記録や表現をテーマに研究している。2010年より「阪神大震災を記録しつづける会」事務局長。2014年度井植文化賞報道出版部門受賞。著書に『震災後のエスノグラフィ』(明石書店、2023年)、『10年目の手記』(共著、生きのびるブックス、2022年)など。

目次

●はじめに 実践知としての災害アーカイブ
【第Ⅰ部】 「あの日」以前の暮らしへの回路を創造する
●第1章 語り
●第2章 復元模型
●第3章 被災写真
●column 01「わたし」を主語にする──育児日記の再読をとおした震災経験の継承の試み
【第Ⅱ部】 「あの日」への想起のダイナミクス─モノを創造する
●第4章 報道写真
●第5章 絵画
●第6章 手記集
●column 02 応答のアーカイブ─東日本大震災から「10年目の手記」
●column 03 展覧会というメディアの可能性(1)─「3・11とアーティスト:進行形の記録」
【第Ⅲ部】 「あの日」への想起のダイナミクス──場を創造する
●第7章 記念式典
●第8章 災害遺構
●第9章 文化施設
●第10章 映像
●column 04 展覧会というメディアの可能性(2)──「3・11とアーティスト:10年目の想像」
●column 05 12章「カタストロフィの演劇体験」への手引き
【第Ⅳ部】 未災者との回路を創造する──実践と研究の「あわい」から
●第11章 美術館
●第12章 演劇
●おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

阿部

0
自分にとって示唆に富むことがたくさん書かれていて、ゆっくりと読み進めた。なくなったものを想起するということは、「あるもの」から想像するということで、その「あるもの」をどのように扱うかということ。残されたものだけでなく、手記や模型のように生み出されたものや、展覧会や施設のように状況を生み出す場作りまで触れられている点が重要。ここで書かれた記憶や想起のメカニズムは、災害に限らず有効だと思う。だが、それが災害ゆえに生じている固有性から離れることもない。当分、手の届くところに置いておきたいし読み返したい。 2025/01/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21644487
  • ご注意事項

最近チェックした商品