内容説明
凄惨な事故死を遂げた郁美。その葬儀を機に、大人になった幼なじみ四人が再会した。小学生の頃の郁美は、仲間たちそれぞれの願いを叶えるため、雑木林でおまじないの儀式を行なっていた。彼女の死を境に、儀式に参加した四人は不気味な影に悩まされ、おぞましい事故や原因不明の災厄に見舞われる。無邪気な遊びに潜む恐ろしい罠とは――平穏な日常が暗転する、絶望に満ちたオカルトホラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
machi☺︎︎゛
88
夏だからホラー。小学生の頃にやったおまじないや呪いが仲間の1人の死を機によみがえる。願い事を叶えてもらうためには依り代と呼ばれる対象者の所有物が必要となる。小学生が遊び半分でやった事が大人になった今自分たちに襲いかかる。こっくりさんやわら人形など嘘と分かっていても何か気味悪く感じる心情が上手く書かれていてゾワゾワした。2024/08/13
yukaring
76
幼いあの日。ただ友達と"おまじない"をしただけだったのに…。時が経ち「願い」が「呪い」に変化する恐怖。絶望とおぞましさに満ちたオカルトホラー。山の中で凄惨な死を遂げた女性。彼女の葬儀で成長した幼なじみ達が久しぶりに再会を果たすが、それ以来仲間たちは不可解な事件や事故に見舞われ命を落とす。全てあの日行ったおまじないの儀式のせいなのか?願いを叶えるものとは何なのか?防空壕のドワーフや盲目の男、黒猫の存在など不気味なガジェットも盛り沢山。なんだか清水カルマさんの『禁じられた遊び』の雰囲気を思い出しながら読了。2024/06/11
えみ
56
どんな対価を払ってでも叶えたい願いはあるか。その願いが叶えられるとしたらどんな対価だとしても受け入れることができるだろうか。それがたとえ願い以上の対価だとしても?恐ろしく残酷で、途轍もない絶望。希望が見えない、見ることを許さないオカルトホラー。目を覆いたくなる光景を読者の脳裡に映して、物語は恐怖のどん底へ否応なしに突き落としにかかる。安易な願いは、呪詛となりその人生に容赦なく楔を打つ。黒い猫に見えていた黒いソレ。一体何だったのか。幼馴染5人に忍び寄る黒い影。その正体はあの日の過ちの具現体か。とにかく恐怖。2024/12/28
のりすけ
30
子供のころに行って、もはや忘れていたおまじないが今頃成就して対価を払え、言うて来よる。人外の何かに時間の概念が無いとしても「いくら何でもアンタそりゃ今更ですやん」と文句のひとつも言いたくなろうってもんよ。カラス襲撃はなかなかに良かったが、ドワーフとかなんやねんと言いたくなる部分も少々。要するに「それ」は何でもいいから生贄が欲しかっただけなのではないのかと勘繰ってしまう。ん、もう、気まぐれなんだからぁ。2024/08/14
みこ
29
小学生の頃に友人5人で行ったおまじない(=呪いの儀式)が巡り巡って20年後に・・・。ホラー映画は見ても小説でこの手のジャンルをあまり読まない身としては映像化されるイメージがつきやすく映画の原作本のような印象を持った。それでいて、文章から漂う禍々しさや不条理さも読み取れて夏の夜に一気に読むには適しているかもしれない。2024/07/17
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