マイマイは美味いのか - 人とカタツムリの関係史

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マイマイは美味いのか - 人とカタツムリの関係史

  • 著者名:盛口満
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 岩波書店(2024/04発売)
  • ポイント 24pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000060257

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内容説明

歌にうたわれ,子どもの遊び道具や食用,薬用,信仰の対象となる一方で,害虫としても扱われきたカタツムリ.琉球列島をはじめとする南の島々を主なフィールドに,現地での探索や聞き取りを通し,その多様な姿と人々の営みとの関わりを探る冒険の書.私たちが,どこから来てこれからどこへ向かうかを問う「シン・蝸牛考」.

目次

はじめに
第一章 カタツムリと私たち
「よっこいしょういち」
横井庄一とアフリカマイマイ
カタツムリとの関わりをさぐる
私たちの認識
カタツムリは虫か?
カタツムリ=ヤドカリ説
ナメクジの分類学的位置づけ
カタツムリの個別名
学生たちの認識の例
アフリカマイマイは毒?
カタツムリを踏んだことってある?
カタツムリの定義
緑のカタツムリ
足元のカタツムリ
第二章 ヤマトにおけるカタツムリと人
柳田國男「方言周圏説」
蝸牛歌
カタツムリを食べる
薬用としてのカタツムリ
キセルガイの仲間の利用
夜泣きの貝
信仰の対象
第三章 琉球列島における呼び名と遊び
琉球列島でのカタツムリの呼び名
徳之島におけるカタツムリの呼び名
琉球列島の蝸牛歌
同一地域内での呼び分け
カタツムリの墓
チンナンオーラセー(カタツムリ勝負)
時代による変化
第四章 カタツムリ食の文化
無人島漂流記
朝鮮人漂流記の中のカタツムリ
朝鮮人漂流記の島々
ヌングンジマとタングンジマ
与那国島のカタツムリ食
西表島・波照間島・黒島のカタツムリ食
石垣島ではカタツムリを食べていた
小浜島と竹富島のカタツムリ食
宮古諸島でも汁にして
沖縄島──南部ではアンダンスーなどにして
沖縄島周辺離島の利用例
沖縄島のカタツムリ食について聞き取った話
遺跡のカタツムリ
奄美諸島では?
実食!!
世界のカタツムリ食
薬用やお守りとして
第五章 異世界をまたぐカタツムリ
「害虫」でも「食材」でもあった
民謡の中のカタツムリ
「永遠」の歌とカタツムリ
あの世とこの世を行き来するもの
虫送りとカタツムリ
カタツムリとアニミズム
虫払いの変容
妖怪とカタツムリ
第六章 アフリカマイマイは害虫か, 天与の恵みか
夜間中学生の語りから
モービルてんぷらとアフリカマイマイ
アフリカマイマイは天与の恵み
アフリカマイマイに関する聞き書き
導入の経緯
寄生虫の媒介
南洋群島のアフリカマイマイ
グアム島探訪記
グアム島のカタツムリ
引き起こされる危機
大陸島と海洋島
ハワイのカタツムリ
カタツムリの歌
ハワイにおける危機
太平洋のカタツムリたち
第七章 無人だった島々のカタツムリ
大東諸島
ウフアガリジマ
南大東島の歴史
大東諸島のカタツムリ
北大東島でのカタツムリ探索
南大東島での探索
大東諸島のカタツムリの危機
過去を覗く窓
第八章 カタツムリの島
常世のカタツムリ
低島への興味
生物文化多様性
日本のグアム
カタツムリの島
与論島の生物文化多様性
島を越えたつながり
与論島の妖怪
与論島の生き物の謎
与論の名を冠するカタツムリ探し
化石カタツムリの意味
与論島のカタツムリ利用
おわりに
まとめ
理科系のミンゾク学
アフリカマイマイはおいしいか?
あとがき
文献注

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

FOTD

24
行動範囲が小さいので、カタツムリは地域ごとに見られる種類が違う。カタツムリと人との関係(遊び、食、呪術、など)を見ても、実に多様な面を見せてくれる。この本は、生物文化多様性の視点から見たカタツムリの本であるし、理科系の民俗学の本とも言える。ゲッチョ先生(著者)のイラスト、いつもどれも素晴らしいと思う。 ハワイのカタツムリが歌うという話が登場するが(p.177)、これは千葉聡さんの『歌うカタツムリ ー 進化とらせんの物語』にも出てくるので、興味あればそちらも是非読んでほしい。2023/12/15

ばんだねいっぺい

21
人とカタツムリの関係がありありとつづられてゆく。名前の呼び方、好きか嫌いか、生活のどんな場面で意識をするか。セイブツのミンゾクガクは、身近で面白い。2024/02/05

takao

2
ふむ2023/07/18

y

1
エスカルゴって身よりもエスカルゴバターが美味しいけど…と思って読みはじめたので、予想以上にカタツムリの多面的な話題が記されていて、興味深かったです。 色々と驚く内容が多かったのですが、特に異界との関係は全く想像もしていなかったのでインパクトがありました。2023/09/18

かりぐらし

0
沖縄大学の先生が、沖縄の島でカタツムリを調べたフィールドワーク本。人とカタツムリの関わりを色んな角度から解析していく。カタツムリは庭にいる虫の中では難易度の低い虫だけど、それは持ち歌のせいか殻があって持ちやすいせいか。害虫には変わらないがナメクジより許容されているこの貝のような虫の様な不思議な生き物の生態を色々知れて楽しかった。でんでん虫ののでんでんは出てこいの出ん。長年なんだか分からなかったのですっきり。妖怪とカタツムリの項も良かった。2023/10/06

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