文庫旅館で待つ本は

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文庫旅館で待つ本は

  • 著者名:名取佐和子【著者】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 筑摩書房(2024/04発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480805133

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内容説明

しずかな波音、やさしい食事、ぬくもる温泉、そして何よりあなたのための一冊を。戦前から続く海辺の老舗旅館・凧屋の名物は様々な古書を収めた文庫=図書のコレクション。少しばかり“鼻が利きすぎ”な若女将がすすめてくれる「お客様と同じにおい」を纏った文豪たちの小説が、訪れる人の人生を揺らす―。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青乃108号

219
海老澤文庫なる古書室を備えた旅館が舞台。何故か本にアレルギー反応を示してしまう若女将は、宿泊客の抱える悩みを嗅ぎ取り、助けになりそうな古書を一冊客に読ませ、どういう物語だったか話させるうち、いつしか客は自身の抱える悩みを解消してしまうという、こうして粗筋を書いていても良く判らない設定の連作短編集だった。違和感を感じつつカジュアルな文体に1話ずつ淡々と読んでいたら。最終5話。海老澤文庫に纏わる過去の因縁話が唐突に始まり。怨念渦巻く重たい話に急変しオロオロさせられるが終わってみれば何故か爽やか。テーマは赦し。2024/05/21

ちょろこ

140
奥深さが良い一冊。海辺に佇む小さな旅館を舞台に本と宿泊客の生き方を結んだ連作短編集。名だたる文豪の作品が寄贈されてある「海老澤文庫」から、若女将が宿泊客にぴったりの一冊を選んでくれるというストーリー。誰もの"今の心"にリンクする一冊が見事で、若女将の寄り添いの距離感も程よくて一話進むごとにこちらまで心ほぐされ、ほっこり。でもそれだけで終わらない、過去の業に斬り込んだ奥深い展開が秀逸。こういう話にはめっぽう弱い。導き出された善悪の先の指針がスッと心に沁み込みんでくる。今さらだけれど「こころ」を読んでみたい。2024/03/29

Karl Heintz Schneider

118
「この本とお客様のにおいは同じなのです。」海辺にある小さな旅館「凧屋」。ここには図書スペースがあり膨大な蔵書がそろっている。若女将の円(まどか)は訪れた客の「におい」から、その人に今一番必要な本を選び出す。読んだ感想を円に話すうちに、いつしか悩んでいた気持ちが軽くなってゆき・・・。2024/02/16

シナモン

112
半地下の文豪文庫がある旅館と今その人に必要な本をそっと差しだす若女将。もうそれだけで十分魅力的。宿泊客それぞれのエピソードも心ひかれる内容。楽しめたし、こんな感じで終わるのかと思ったら最後に想像もつかない展開が待っていた。辛くやるせない気持ちになったけど、その分読み応えもあり満足いく一冊となった。「人間は赦すことができる。赦しはきっと、善悪を超える」深かった。2024/01/06

machi☺︎︎゛

102
凧屋旅館の若女将、円は本が読めない。旅館の中には文庫が併設されているのに円は本の匂いが強くて読めない。そして鼻が人一倍利く。だから本の匂いとお客さんの匂いが合うものを読むべき本として勧めてくれる。そして読んだ感想を教えてもらう。一冊目から五冊目の章に分かれていていろんなお客さんが旅館を訪れる。その中には凧屋旅館の歴史と繋がる人たちもいて思わぬ過去が露呈する。実際にある古書も出てきて興味深い内容だった。2024/03/24

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