女は見えない

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女は見えない

  • 著者名:西村紗知【著者】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 筑摩書房(2024/04発売)
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  • ISBN:9784480816931

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内容説明

七海なな、前田敦子、Dr.ハインリッヒ、丸サ進行、愛子内親王。愛が消費と常に癒着する。そのシステムの中で、人はよく生きることができるのか。すばるクリティーク賞を受賞した新鋭のデビュー批評集。

目次

「貨幣」と「娼婦」の話──まえがきにかえて/状況/「買手と売手」の関係/その対象は「娼婦」である/「娼婦」は「貨幣」である/「貨幣」は我々である/「娼婦」は我々である/1 七海ななについて知っているいくつかのこと/映画館でみた彼女の姿を思い出すことから/共同体の秩序の崩壊(カオス)から、自分自身を根拠付けることの不可能性が顔を覗かせる/自分自身の根拠付けには「住居」が必要ではないか/「住居」は汚れとなり、汚され、「家族」は乗り越えられていく/「こうでしかありえない生」へ向けて/2 あの頃の前田敦子/かつて「前田敦子の時代」があった/前田敦子は「システム」であり「実存」だった/前田敦子─秋元康を真に批判するには……/「愛」と「消費」について課題が残った/3 Dr.ハインリッヒの漫才を見るためには/女芸人という不安、それからDr.ハインリッヒの印象/「筆者はいつの間にか甘えていた。依存心だな、これは。安心しきっていた」/擁護されることで困難さは露呈する/大抵「中心」が問題となる/Dr.ハインリッヒの漫才を見に行く/4 「丸サ進行」と反復・分割の生/音楽を聞くのは大変である/「丸サ進行」の基本的な話/問題は「ウェルメイド」性に対する解像度と、具体的にアーティストそれぞれがこれにどう向き合っているかである/「ウェルメイド」性を技術的かつ内容的に最も切実に引き受けようとしているのは、ずっと真夜中でいいのに。であるけれども/「ウェルメイド」性からの脱却へ向けて/5 「推せ」ない「萌え」ない愛子さま/最初に見た有名人/愛子さま成年の記者会見から/問題設定はすべて皇居にある?/象徴、非主体化、近代性/天皇的なもの、代替可能性と代替不可能性/これからの「責任」/補論 「東京の男の子」の悩み事/本当に発言それ自体を一旦聞くために/「……そこが崩壊したときには、おそらく日本は大きく変わるでしょう。」/オリエンタルラジオの思い出など/機会平等性と権威と/人々は語られ直されねばならない/これまでとこれからのこと──あとがきにかえて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅん

12
感想はまた別のどこかで書くかしゃべる気がしてますが、売り手/書い手の関係から逃れられない現状の気分の分析として鋭くて重くてとてもよい。「実存」と「システム」の間で、女の姿が見えなくなること。あるAV女優とあるアイドルとある女芸人は、そうした「見えなさ」を著者に突き付けた存在として、語られる対象となる。2章の締めの言葉になぜか深く納得する2023/12/04

のりのりの離島

1
前田敦子、女芸人、愛子さま、とてもおもしろそうと読んだけど批評に慣れていなく、ほとんどわからない。しかし「丸サ進行」初めて知った。ここのところ聴いているボカロ曲なども出てきてさらに調査が必要。2024/02/09

辻薫

1
本邦の時代精神に対峙する著者の問題提起の鋭さと、その一方で論じている対象(「女」たち…)から著者が切り返されることによって生まれる緊張関係(《書き手の側の概念を危機に晒すこと》)が凝縮したような文体に、とても惹かれる。何が商品で誰が売手で買手なのか、その関係の区別が判明ではなくなり、今や誰もが「貨幣」に似た生を生きる。《悪しき生のなかで良き生はありえない》――著者によればこのアドルノの命題は、個人の生を、その生き方を規定する社会の仕組みなど外部の側から捉え直すよう要請するものであると同時に、2023/12/20

とりもり

0
あまり納得感のない本。部分的には同意できる箇所もあるが、全体を通じて漂う自己満足感(こことここがこんなふうに結びつくんだよ、的な)に牽強付会的なものを感じてしまい、論旨が散漫な気がしてならない。こんな文章、昔読んだ記憶があるなと思って色々と記憶を辿ると、「よい子の歌謡曲」によくあった特定のアイドルや楽曲に対する自己陶酔的なレビューに雰囲気がよく似ている。と思ったら、唐突にJ-POPに関する論考が登場してびっくり。とはいえ、この音楽論考が一番内容的には良かった。個人的には今ひとつな一冊。★★☆☆☆2024/06/29

ヤマニシ

0
「おそらく最も困難なことは、あなたにだったら騙されてもよい、というようにして対象を信じることだ。あなたにならすげなく突っぱねられたいと心の底から信じてみることだ。批評は何かに対する、直接的か非直接的かは異なっても、信仰告白ではなかっただろうか。」(p247)2024/03/18

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