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内容説明
少年とゴリラの信じられないような絆を描く!
舞台は、第二次世界大戦下のイギリス、ロンドン。
戦火がひどくなる中、動物園には年老いたゴリラが取り残されていた。父親が戦争に行き、知人の女性に預けられたひとりぼっちの少年ジョゼフ。それぞれの孤独の中、ゴリラと少年は心を通わせるようになる。
人間であることの意味を描いた話題作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Apple
26
「第一回10代が選ぶ海外文学大賞」の対象作品として紹介されており気になった為読んでみました。第二次世界大戦中、家族と離れ離れになった孤独な少年と、動物園に残されたゴリラの交流などを中心に、喪失の悲しみや怒りを抱える人々を描いた作品です。力強く、誇り高いゴリラのアドニスとの触れ合いをきっかけに、孤独と怒りから少しずつ抜け出してゆく少年の姿が印象的でした。失ったものとようやく見つけたもの、という言葉が結末をよく表しているように思います。2025/08/18
しずくちゃん
5
第二次対戦中のロンドン。12才の少年ジョーゼフは母もなく父も出征してしまい、祖母が知人のミセスFに彼を預けてしまう。少年の心は孤独と怒りに満ち、おまけに彼にはディスレクシアの障害もあり、周りの人たちとうまくやっていけない。おまけに毎日のように空襲があり、町は破壊されていく。ミセスFが命をかけて守ろうとしている動物園にゴリラのアドニスがいた。最初は恐ろしかったが、少年は世話をするうちにアドニスやミセスFや空襲で両親を亡くした少女シドと次第に少しずつ心を打ち解けていく。3人の未来が明るく温かいことを願う。2024/12/18
奏
5
ナチス・ドイツ軍からの空襲が激しくなる一方のロンドンにジョーゼフは自分の意思ではなくやってくる。何もかも思い通りにいかず怒りでいっぱいのジョーゼフは、疎開先のミセスFの経営する動物園の仕事を手伝わされるのだが、様々な出来事や彼を取り巻く状況が変化していくごとに、ゴリラのアドニスが彼を支える存在へとなっていく。アドニスが言葉を話すことはないけれど、大きな悲しみを抱え、ジョーセフに共感してくれているのが伝わってくる。人間に振り回されるだけのアドニスに申し訳ない気持ちでいっぱいになった。2024/08/16
くるり(なかむらくりこ)
4
表紙絵と邦題がすばらしくて読み終えていっそう胸にしみる。ジョーゼフが抱える怒り、孤独、渇望、くわえて戦時下の緊張と閉塞感に胸がつまる。ミセスFやシド、そしてアドニスとの関係も、よくある「心温まる」展開ばかりにはなっていかない。そのリアリティが積み重なり、結末にたしかに希望は見えるけれど、けっしてハッピーエンドとはいいきれない。この先につづいていく日常を、どう生きるか。表紙のアドニスが見ているのは、正面に立つジョーゼフではなく、この本を手に取るわたし(たち)だ。2024/08/17
Mipo
4
舞台は第二次世界大戦下。ロンドンで空襲が激しくなり、多くの学童が郊外に疎開するなか、12歳のジョーゼフは逆にロンドンの駅に降り立った。母は5歳の頃に家を出て、いま、父は出征している。父の不在のあいだだけ祖母の伝手でミセスFのもとに身を寄せる。ミセスFは戦時下で動物園の経営をしていたので、少年は園の仕事を手伝い、ゴリラのアドニスと出会う。ミセスFはきつい顔つきでつめたそう。少年はカッとなりやすいたちだ。そんなふたりの生活はうまくいくのか。ミセスFが戦時下の動物園でどんな仕事をしているのか。なぜゴリラなのか。2024/08/22
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