内容説明
「ねえ。『喜び』って言葉から、どんな風景をイメージする?」風呂上がりの妻から唐突な質問を受けた慎一は、眼を閉じてみると、ふいにひとつの景色が見えてきた。海から眺める東京に似た大都市。同じく想像したらしい妻は、自分は空にいるという。(「ティファニー2021」)一流ブランドには物語があり、人生の一瞬を輝かせる。著者が20年をかけてその一瞬を切り取ってきた珠玉の作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
H!deking
62
吉田修一先生の、いろんな媒体に寄稿した掌編やエッセイ集ですね。言葉のチョイスがいちいちシャレオツです。ワタシもBARが似合う素敵な大人になりたい。乾杯🍸2024/06/07
となりのトウシロウ
60
短編小説とエッセイなどをギュッと集めたという作品集。本のタイトルは「ブランド」だが、色んなお話をごちゃ混ぜにした「ブレンド」というタイトルの方がしっくりくる。短編は物語終わりの余韻が心地よく感じる。駅のホームのベンチで偶然出会う男女のお話「日常前夜」はこの続きを想像して楽しめる。しかし、吉田修一は、人間臭さをしっかりと描写した骨太の読み応えのある長編小説が一番面白いと感じる。2024/06/04
カブ
31
やっぱり、吉田修一氏の作品が好き。短編でもエッセイでも、おしゃれで粋です。読んでよかった。2024/06/19
naotan
12
吉田修一は小説も好きだけど、お題を与えられて書く文章も素敵だ。朝井リョウの『発注いただきました!』もあわせて読みたい。2024/06/24
時代
11
吉田修一さんが様々な媒体で書いたショートエッセイ集。イメージと違う吉田修一が満載で良かったです。結構センス系なのかもしれない〇2024/09/26